幼稚園と保育所は何が違う?運営元と建物について

2018.02.19

更新日:2023.3.3

働くお母さんにとっては、子どもを預かってくれる施設が欠かせません。いざ子どもを預けることになった際、大きな選択として保育園、幼稚園のどちらを選べば良いのか迷う方も多いです。幼稚園は、文部科学省の管轄です。幼児を保育、心身の発達をサポートします。1日あたりの保育時間は4時間を基本とし、春休みや夏休みといった長期休業日があることが特徴です。大まかな区分としては「教育施設」にあたります。保育園は、厚生労働省の管轄となり、保護者の委託を受けた乳児や幼児を保育する施設を指します。1日あたりの保育時間は8時間を基本として、長期休業日はありません。大まかな区分としては「児童福祉施設」にあたります。
さらに保育園の中にも種類があります。全体像をつかむべく、各施設の特徴や運営元を今一度整理しておきましょう。

教育・保育施設の種類とは?

・保育園とは

厚生労働省が定めるところの保育園(認可保育園)は0~5歳が対象とされて、都道府県の認可のもとに運営されます。

20名くらいの小規模な施設から200名近い定員がいるマンモス保育園まで定員数は様々です。都道府県の認可を受けずに運営する保育園は「認可外保育園」となりますが、届け出は必要とされます。運営法人は、社会福祉法人や民間企業など様々です。

認可外というとサービスレベルに劣る印象を受ける方もいるかもしれませんが、この限りではありません。保育士の人数、預かり時間など公的な縛りを受けたくないと考えることから、あえて認可外の運営を続ける施設もあるようです。


小規模保育園とは、0~3歳の待機児童問題を解消するために始まった仕組みです。市町村による認可事業として運営され、6名以上19名以下と少人数の保育にこだわることにより、きめ細やかなお世話ができるとされています。


保育園は希望すれば誰でも利用できる施設ではなく、一定の縛りが出てきます。預ける保育所が見つからないと、育児休暇明けの復職も難しい状態になるはずです。そこで企業が主体となって都道府県への届け出のもとに運営する形態として、企業主導型保育事業が注目されています。複数の企業が共同で設置することもできる、新しい保育のあり方です。定員に関して明確な目安はありませんが、運営主体となっている企業で働く従業員が主な対象とされています。企業主導型保育所を設けることによって待機児童の解消が出来るだけでなく、企業にとっては保護者である従業員は活き活きと仕事ができ、定着率の向上が期待できます。


施設の設置基準として、2歳以上を対象とした保育室または遊戯室、2歳未満を対象とした乳児室または、ほふく室を設ける必要があります。他には定員数にもよりますが、医務室・便所・調理室・野外遊技場が必要条件とされています。

・幼稚園とは

幼稚園は、国や地方公共団体、学校法人が主体となって運営されます。市町村主体の幼稚園では都道府県教育委員会、学校法人主体の幼稚園では都道府県知事の認可が必要です。教育施設としての位置づけから、教育内容は幼稚園教育要領によって基準が設けられています。また、地域との連携も重点課題とされており、周辺施設とのつながりを維持するように設計されるあり方が推奨され、幼児教育拠点としての機能も果たす施設といえるでしょう。

・認定こども園とは

幼稚園と保育園のメリットを併せ持つ施設として、認定子こども園が注目されます。小学校にあがる前の教育と保育を一体のものとして考えて、幼稚園や保育園の垣根を超えた取り組みを提供する環境です。


幼稚園・保育園といった明確な線引きではなく、中間としての位置づけにある認定こども園は、現在事業者ごとの保育施設の整備など多様な環境が整いつつある現状です。保護者の希望も多様化しつつある中で競合施設と差別化を図るにあたり、魅力的な遊具の整備や周辺住民への配慮、特徴的な空間設計といった独自の工夫も求められます。

■保育士不足への対応

幼稚園
ここでは、保育士不足に対してどのような対応が必要となるのかについて、くわしく見ていきましょう。

・離職率が高い保育士の現状

保育士の離職率は10%ほどです。飲食業などと比較すると、高くはないものの、全産業の中では決して低くはない状態となっているのが現状です。

実際に、保育士は勤続年数が短いことが多いだけでなく、保育士としての資格を取得したものの、退職後復帰していない潜在保育士の方は90万人程度となっています。実際に、退職理由を見ていくと人間関係が最大の理由であるものの、待遇や仕事量、労働時間の多さなど労働条件に関するものが多くの割合を占めている状況です。

加えて、過去に保育士として働いていた方が復帰の際に求める条件として、通勤時間や勤務日数・時間、給与などを挙げています。つまり、一度保育士として働いた労働環境が良くなかった印象をほとんどの人が持っているといえます。

・保育士を定着させるためには

労働環境の全体的な見直しが必要です。例えば、労働対価が低い点などは公共・私立の違いはあるものの、各施設によって差が生じています。この場合、資格や制度などによって月額を増加させる取り組みを国でも行っているため、少しずつ改善していくことが大切だといえます。

また、定型業務に対して自動化する取り組みも効果的です。決まりきった報告や計算に対して、システムを導入することで保育士の業務負担を軽減できます。

■幼稚園や保育園運営を成功させるポイント


ここからは、事業体として、保育園や幼稚園を成功させるためのポイントを見ていきましょう。とくに、保育園事業はノウハウが不足している場合、赤字に転落しやすい事業でもあるため注意が必要です。

・綿密に事前調査する

従業員も含めたうえで通いやすい場所にあるかどうかを調査しましょう。通勤前や通勤途中に立ち寄れるだけでなく、従業員にとっても近い場所であれば退職理由につながりにくくなります。

加えて、都市部であれば待機児童の有無や人数なども事前に調査しておくことで、需要の高さを確認可能です。

・コンサルタントへ相談

ノウハウ不足だと感じた場合、早めにコンサルタントに相談しましょう。例えば、教育方針の差別化などによって、他の施設との違いを出すことで需要が高まります。また、従業員の待遇なども相談しつつ、対応していくことによって、退職する確率を低くすることもできます。

・フランチャイズ運営

ノウハウ不足によって赤字になる可能性がある場合、フランチャイズに加盟することも検討しましょう。フランチャイズの場合は、ロイヤリティを支払う必要があるものの、運営ノウハウについては、学ぶことが可能です。

■まとめ

幼稚園
幼稚園と保育園は管轄が異なるだけでなく、働く人に必要とされる資格まで異なります。また、保育園は乳幼児を対象としているものであるものの、幼稚園は教育機関としての役割を担うものです。

そして、従業員の不足に関しては、運営者が適切に対処することで問題を解決できます。とくに労働条件の改善などは、その施設ごとの運営と取り組みによって差が生じやすいため、制度を整えるところからスタートしましょう。場合によっては上手くコンサルなども活用しつつ、安定的な経営を行っていくことが大切です。




システム建築・プレハブの資料請求、ご相談はこちらから。