注目を集める発注方式、デザインビルドとは?

2018.01.22

更新日:2022.10.14

 

公共工事では、設計と建築はかつて別の業者が行うものとされていました。しかし、現在では公共工事でも設計と施工を1つの事業体が受け持つデザインビルド方式が増加しつつあります。
では、どんな理由でデザインビルドを採用するのでしょうか。今回は、デザインビルド方式の概要にふれたうえで、課題や成功させるためのポイントについてみていきましょう。

■デザインビルド方式の採用が増えた背景とメリット

デザインビルド方式とは、簡単に言うと設計と施工を一元化する手法です。主に民間工事で採用されていました。以前は公共工事の部門では、設計と施工は分離して発注する方式が一般的でした。

設計と施工を分離することで、まず設計者に委託して設計図を作成させ、その設計図に基づき価格競争の入札を実施します。そして最低価格を提示した施工業者に工事を発注すれば、公正かつ安く工事できるとみられていました。

しかし、この方式ではダンピングや入札不調に陥った場合、受注者を確保することが難しくなり、予定通り社会インフラを確保することが出来ない状況が生じました。そこで注目を集めているのがデザインビルド方式です。2005年には「公共工事の品質確保の促進に関する法律」が施行されました。そのなかでもデザインビルド方式が基本的な方針として明確に記載され、公民両面で注目を集めるスタイルになりました。

・デザインビルド方式の採用が増えた背景

デザインビルド方式が増加した時代背景として、建設費の高騰や入札の不調などから、工事費を低く抑える必要があったためです。また、近年の日本では、災害による被害も多いことから、発注者と建設業者の調整を早く行いたいという意図もあります。
実際に、デザインビルドによって建設された建物では建設費・時間の削減に成功していることから、今後もデザインビルド方式は増加していく可能性があるといえるでしょう。

・デザインビルド方式のメリット

建物外観イメージ


デザインビルド方式によって、設計・施工を一元化すれば、両者が緊密に連携できるためより質の高い建物を建設できます。設計する際に施工業者が自社の施工技術を最大限に生かせるように作図作成できるでしょう。設計者の意図を正確に理解して施工できるからです。また設計してから図面を元に発注業者を決めるステップが必要でなくなるため、全体の工程短縮を図ることも可能です。にも対応できるようになります。

 

デザインビルド方式を導入すると、入札競争がより総合力を反映したものになります。価格だけでなく技術の総合的な判断ができ、施工業者としても自分の持っているオリジナル技術を活用してより合理的な設計もできます。
 

■デザインビルドを成功させるポイント

コミュニケーションイメージ

デザインビルド方式での建設を成功させるためのポイントを解説していきます。

依頼者は要求水準書を作ることが大切です。例えば、必要な間取り、面積、設備や備品、それらを希望する意図などを明確にしておくことがよいでしょう。
また、トラブルやリスク回避のため、プロジェクト全体を通して決定すべき項目や期日を洗い出し、定期的なコミュニケーションの場を設定することもポイントです。

■まとめ

デザインビルド方式は、設計と施工を1つの事業体が行う建設方法のことです。要求水準書の取りまとめやコミュニケーションの取り方が大切だといえるでしょう。



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