認定こども園について

2020.03.26

更新日:2022.10.14
 

幼稚園や保育所などに比べて、まだ馴染みの薄い「認定こども園」。しかし実際には平成27年頃から数が急速に増え始めており、今後さらに注目度が増すと考えられています。
しかし、そもそも「認定こども園」がどのようなものなのかが分からない、という方も多いはず。そこで今回は保育施設の運営を考える方に向け、認定こども園の解説を行います。

認定こども園とは

教育と保育を一体的に行う施設のことを「認定こども園」といいます。これは幼稚園が行っていた“教育”と、保育所が担っていた“保育”という両方の機能を併せ持っているもので、認定基準を満たした施設は都道府県等から認定が受けられます。
 

認定保育園の種類

地域の特色や保護者の要望はそれぞれ異なります。
実情に合わせて園を運営できるよう、認定こども園は以下のようなタイプ分けがされています。

幼保連携型 単一の施設でありながら、幼稚園的な機能と保育所的な機能、両方を兼ね備えた認定こども園のタイプ。
幼稚園型 基本的には認可幼稚園ではあるものの、保育所的な機能(保育が必要となる子どもに向けて保育時間を確保するなど)を備えた認定こども園のタイプ。
保育所型 認可保育所であるものの、保育を必要としない子どもの受け入れも行うなど、幼稚園的な機能を備えている認定こども園。
地方裁量型 幼稚園や保育所といった認可がない、地域の教育・保育施設として運営されている認定こども園。

上記を見ても分かるとおり、認定こども園は必ずしも幼保連系型である必要はありません。現段階で認可幼稚園だったとしても、ここに保育所としての機能を加えることで、認定こども園として認可を受けることも可能です。また、幼稚園や保育所としての認可がなかったとしても、それらの機能が備わっていれば認可こども園を開設できます。

元々は保育所・幼稚園という認定こども園が増加中

認定こども園も保育所も幼稚園も「認可の保育施設」であることに変わりありません。加えて前項で説明したとおり、機能が備わることで認可こども園は開設可能です。こうした背景があるため、現在運営されている認定こども園の多くは、元々が保育所・幼稚園であったというケースがほとんどです。

また、認定こども園は年々増加傾向にあります。平成23年は762件であったのに比べ、令和元年度7,208件、令和2年度8,016件、令和3年度8,585件にまで数を増やしています。これは平成27年に施行された「子ども・子育て支援新制度」が影響しています。幼保連携型認定こども園の認可・指導監督の一元化や、財政措置が施設給付型へ一本化されたことが要因と考えられています。

認定こども園が生まれた背景

なぜ認定こども園が生まれたのかについても触れていきます。ここでのポイントは「少子化」と「共働き家庭の増加」です。
市立幼稚園や地方の公立幼稚園は、少子化に伴って入園者数が減少傾向にあります。今後、さらに子どもの数が増えれば、運営自体が困難になることも考えられるでしょう。
「待機児童は社会的問題なのだから、入園数が減るのはおかしいのでは?」
こうした疑問を持たれる方もいらっしゃるはずです。確かに幼稚園側は受入体制を確保できているのですが、ここで問題となるのが共働き家庭です。
幼稚園で子どもを預かれるのは4時間。外に働きに出ている人にとって、この時間は短すぎます。その結果、親が働いていれば保育所、働いていなければ幼稚園というように、親の就労状況によって利用できる施設が限定されるという問題が生じていました。

延長保育で問題を解決

依然として解決しない待機児童の問題を改善するために考えられたのが「認定こども園」です。
リソースが余っている幼稚園で0〜2歳児を預かる、延長保育を実施する、といった措置を取ることで、前述の問題の改善が行えます。
また、公立幼稚園と公立保育所を一本化して、すべてを認定こども園としている市町村も登場しています。

認定の基準

認定こども園は都道府県が認定するものです。そのため、条例によって認定の条件などが定められます。
なかには独自の基準を設ける自治体もありますが、以下のような国の定める基準が基本です。

職員資格

幼保連携型 幼稚園教諭の免許状と保育士資格を併有する保育教諭の配置が必要。
※施行10年間は経過措置あり
その他の
認定こども園
満3歳以上の児童の保育を行う場合は、幼稚園教諭および保育士資格の併有が臨まれる。
一方、満3歳未満については保育士資格が必要。

職員資格・学級編制等

  • 幼保連携型認定こども園教育・保育要領を踏まえた教育・保育の実施が必要
  • 小学校教育とスムーズに接続できる教育を行うこと
  • 認定保育園として配慮すべき事項に対する考慮

認定こども園の利用手続き方法

ここでは、認定こども園の利用手続きについて詳しくみていきましょう。

・認定区分

就労や妊娠など、家庭ごとの条件に合わせて認定区分が決まっています。以下のように区分があるため、それぞれの条件を把握しておきましょう。

区分 保育事由 時間
1号(3~5歳まで) 該当なし 4時間
2号(3~5歳まで) 該当あり 保育標準時間(11時間まで)、短時間(8時間)
3号(0~3歳まで)

認定区分の違いによって、無償の対象項目が変化するため注意が必要です。

・利用手続き方法

まず1号区分であれば、直接認定こども園に申し込み、内定を経た後に認定証が交付されて利用できるようになります。次に、2・3号区分の場合は、市町村に届け出を行い、認定証が交付されます。順番が違う点は把握しておきましょう。

まとめ

データを見ても明らかなように、認定こども園は今後もその数を増やしていくと考えられます。
その元となるのは、保育所や幼稚園といった施設であるとも予想されます。
すでに保育所や幼稚園を運営されている場合や、これから認可の保育施設を運営していきたいとお考えの方は、ぜひ認可こども園に注目してみましょう。

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