地域コミュニティを育むみんなに居心地の良い複合施設
栃木県南部に位置し、東京都心へのアクセスも良好な下野市。市内の総合病院の移転に伴う跡地を活用し、2022年12月にオープンした石橋複合施設は、誰もが気軽に・便利に・安全に利用できる、新たな”憩いの場 “として地域から大きな期待が寄せられています。
提案のカギ
- 多世代の交流やコミュニティを育む空間デザイン
- 利用者や近隣に配慮した施設の配置提案
- 公共施設と相乗効果を生むテナントリーシング
子どもたちを見守るような配置計画と多世代が心地よく過ごせる空間を提案
下野市の石橋地区には、長く市民から親しまれてきた公民館がありましたが、築56年が経過し、建物や設備が老朽化していました。また、近隣には児童館がなく、地域の保護者からは「子どもが身体を動かして遊べる施設が欲しい」という要望が多く挙がっていました。
そこで市は、地域住民が安全に利用できるサービスを効率的に提供するため、公民館と児童館の機能を複合化・集約化した公共施設の整備を計画。石橋総合病院跡地の利活用計画として、公民連携による公募型プロポーザルを実施しました。近隣住民や利用者に配慮した施設配置や、テナントリーシングなどの提案が評価され、当社を代表企業とするグループが事業者に選定され、デザインビルドで施設整備を担当しました。
当社グループは敷地の中心部に多目的広場を設け、その周りに公共施設と民間施設を配置。広場を囲むように設置した屋根は、雨天時も施設間を濡れずに移動でき、利便性を高めただけでなく、施設の一体感を生み出しています。公共施設内部はカフェのような、カジュアルでスタイリッシュなデザインに。緑のパーテーションや吹き抜け、スケルトン天井で開放感を演出しました。子どもからシニアまで全ての世代に開かれ心地よく、自然な交流が生まれる空間が完成しました。
多様な活動に対応し、世代を超えたつながりを生み出す空間
❶ 児童館
石橋公民館と内部でつながっている石橋児童館。乳幼児から中学・高校生までの児童を対象に、創作活動室や集会室、乳幼児エリア、図書エリアなどを整備しました。平日は幼稚園帰りの親子でにぎわいます。
広々とした遊戯室では子どもたちが安全かつ自由に遊べる場所として平日もにぎわう
❷ 多目的広場
施設の前に広場を設けることで、子どもが車道に飛び出してしまわないよう安全を確保しました。
❸ 公民館
エントランスホールは利用者がゆっくりと過ごせる空間をデザイン。多世代の自然な交流につなげています。そのほか会議室や音楽スタジオ、パフォーマンススタジオなど、幅広い市民活動に対応します。
開放的なエントランス
❹ 余剰地の活用
地域住民の利便性の向上とコミュニティ醸成をめざし、地域から親しまれるドラッグストアや、フードショップを誘致しました。
壁面に描かれた動物の等身大イラストは訪れる子どもたちにも好評です。
[DATA]
所在地 | 栃木県下野市 |
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敷地面積 | 約9,000㎡ |
延床面積 | 公共施設 2,373㎡/民間施設 1,352㎡ |
構造 | 公共施設 鉄骨造2階建/民間施設 鉄骨造平屋建 |