障がい者福祉施設の基礎知識とグループホームの設置について

2020.03.17

更新日:2021.7.6

■障がい者福祉制度とは何か?

障がい者福祉制度とは、障がいのある方が社会の一員としてともに生きるために必要な制度のことです。障がい者福祉の基本的な事項が定められているのが「障がい者基本法」です。

この法律では障がいのある人を「身体障がい、知的障がい、発達障がいを含む精神障がい」により、継続的に日常生活や社会生活に制限のある状態の人と定義しています。

「障がい者基本法」では、障がいのある方の社会を構成する一員として社会、文化、経済その他あらゆる分野の活動への参加や、生活の場の選択の機会、情報の取得や利用のための手段の選択の機会が拡大されるべきであると規定されています。

こうした理念をもとに、具体的な福祉サービスや公費負担医療などについて定められているのが「障がい者自立支援法」です。平成25年4月1日以降、この「障がい者自立支援法」は「障がい者総合支援法」となり、これまでの制度の課題を解消する動きがはじまっています。

「障がい者自立支援法」には、障がいの種別による格差を解消したり、地域によって生じるサービス水準の格差を解消したりする目的がありました。また、福祉サービスの利用者増加に対応するために、公平な負担を実現することもねらいのひとつです。

それに対して「障がい者総合支援法(障がい者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)」では、障がい者自らが希望する地域生活が営めるよう、「生活」と「就労」に対する支援の充実や、障がい者の多様なニーズに対応できるよう制度の拡充が図られました。次の章では障がい者自立支援法と障がい者総合支援法の主な違いについて確認していきます。

 

■障がい者自立支援法と障がい者総合支援法の違い

福祉施設

障がい者自立支援法は、平成17年に成立した障がい者の自立支援を目的とした法律で、障がい者総合支援法に改定する前の名前です。前述した通り平成25年には、障がい者総合支援法として名前が改定され、内容は以下のように変化しています。

  1.権利の主体が障がい者にあるとする基本理念
  2.障がい者と重度訪問介護の定義拡大
  3.7段階の障がい支援区分に分かれる
 
とくに7段階の支援区分は、自動的な判定と医者の診断書、地方自治体の審査によって審査されるため、自分ではコントロールできません。場合によっては受けられないサービスが出てくる点も把握しておきましょう。

また、それぞれのサービスに該当する場合、自立支援給付と地域生活の支援に基づいてサービスを受けられるため、現在は支援を受けつつ、一人暮らしを行うといった選択をすることも可能です。加えて、訪問介護のサービス利用者に対して、病院に入院しても引き続きそのサービスを利用できる権利もあります。




介護福祉施設の資料請求はこちらより>

■障がい者支援施設で受けられるサービスとは?

障がい者支援施設は各種障がい福祉サービスを受けられる場所です。障がい福祉サービスは、介護の支援を受けるための「介護給付」と訓練などの支援を受けるための「訓練等給付」に分類されています。また、日中に受けられるサービスと夜間に受けられるサービスがあり、サービスを利用する方がこれらの組み合わせを選べる形になっています。

日中活動系に分類されているサービスとしては「生活介護」「療養介護」「短期入所(ショートステイ)」などが挙げられ、地域生活を営みながら支援を受けられます。

また、訓練系・就労系に分類されている「自立訓練(機能訓練)」「自立訓練(生活訓練)」「就労移行支援」「就労継続支援(A型)」「就労継続支援(B型)」も、昼間に実施されているサービスです。

これに対して「施設入所支援」は、法律上では夜間や休日に行われるサービスとなっています。障がい者支援施設では、入浴・排泄・食事をはじめとした生活に必要な介護が行われます。施設は障がい者の方にとって住まいの場でもあるということです。このような夜間に受けられるサービスは、日中に受けられるサービスと組み合わせることで、障がい者の方の日常生活を包括的に支援できるようになっています。

■障がい福祉サービス事業とは

福祉施設
障がい福祉サービス事業の内容について、ここでは詳しくふれて行きます。障がいを持つ方に対するサービス内容は多岐にわたるものの、サポートを目的としたものである点は把握しておきましょう。

・障がい福祉サービス事業

障がいがある方に対して、移動や食事、外出のサポートを行うサービスのことをさします。例えば、入所支援などのサービスの給付と生活を行うための自立訓練の給付どちらも事業内容として該当します。利用者の負担額は割合で1割と決まっているものの、申請作業や面談、サービス提供事業者の決定といった一連の手続きが必要です

サービスを受けられる対象は、身体・精神・知的障がい、難病を持つ方と設定されています。誰でもサービスを受けられるわけではない点に注意が必要です。ちなみに、介護保険の対象となった場合でも必要なサービスを受けられるため、どちらかが優先されるわけではありません。

・障がい福祉サービス事業者

障がい福祉サービス事業者は障がい者に対して、支援サービスを提供する事業者のことです。また、上記でもふれた障がい者総合支援法に基づいてサービスを展開する場合は、県や市から指定される必要があります。

加えて、各地方自治体では、基準を満たしているか確認するためのセルフチェックができる表なども配布しているため、事業者としてサービスを展開する場合は指針にしましょう。

■共同生活援助(グループホーム)とは?

共同生活援助は「グループホーム」と呼ばれ、地域での共同生活を送るのに支障のない方を対象に夜間の共同生活の住居として機能しながら、日常生活のサポートや相談が行われます。

福祉施設

グループホームを建設するにあたり、アパート・マンション・一戸建てが利用可能です。建物は2人以上10人以下の1ユニットごとに玄関・台所・洗面所・浴室・食堂・居間などの設備が必要となります。

また、人数分の個室を用意する必要があり、個室は収納を除いて7.43平方メートル以上のスペースを確保しなければなりません。さらには、利用者の安全のために消防法に則った防災設備を整える必要があります。また、自治体によって独自の設置・運営基準を設けている場合もあるため、事前に確認する必要があるでしょう。

障がい者支援施設を建設するにあたり注意しておきたいのが、事前に近隣住民の方からの理解を得ることです。場合によっては住民の方からの同意を得られずに反対運動に発展するケースもあるため、建設前には地元の方に説明をするとともに、念入りなヒアリングを行うとよいでしょう。




介護福祉施設の資料請求はこちらより>