システム建築とは?工場・倉庫から福祉施設まで建築技法の標準化

2018.02.22

工場や倉庫などの施設を建設するにあたって、システム建築という工法を採用するケースも少なくありません。工期の短縮化や建設コストの圧縮などのメリットが期待できます。かつ、安定した品質も実現できるため注目を集めています。施設建設のためのシステム建築の基礎知識についてご説明いたします。

部材の標準化が特徴のシステム建築

建物を建設するにあたって、様々な部材が必要になります。この部材を標準化しているのが、システム建築の大きな特色です。部材の寸法や形状、配置などのルールをあらかじめ決めています。

こうする事で、この部材を使うのであればこの配置、とルール化されているため、短い設計期間・工事期間で建設できます。

またこれまでの建物では、熟練工などベテランの工員でないと品質の高い建物を建築できないものもありました。しかしシステム建築であれば、経験豊富な工員でなくても品質を確保した施工が期待できます。

システム建築で施工した場合、画一化されたものしか作れないと思っている人もいるでしょう。しかし現在のシステム建築では設計の自由度は高く、工場や倉庫の産業施設から、教育施設、保育園や老人ホームといった福祉施設まで対応しています。

建設需要の盛り上がるなか、欠かせなくなりつつあるシステム建築

システム建築が近年急速に注目を集めているのは、建設需要の盛り上がりと密接に関係しています。2011年に発生した東日本大震災からの復興によって、東北・北関東を中心に建設需要は高止まりの状況で推移しています。

また、2020年には東京オリンピックが開催されるのをはじめとして、国際的なイベントが数多く控えています。その影響もあり、公共工事の案件も増加しています。さらに好景気が続く状況で、民間企業の設備投資も積極的になりつつあります。

こうしてみると、建設業界の未来は明るいと思われがちですが、急速に需要が増していることで供給の追いついていないところも出てきています。慢性的な人材不足で、人員を確保するために給料アップする建設会社も多くあります。

その結果、人件費が高騰しているのです。さらに建設ラッシュによって、部材の確保も困難になっています。現場では工事の遅延や工事費の高騰が問題になりつつあるのです。このような問題を解決する一つの方法として、システム建築が注目を集めています。システム建築はオーダーメイドではなく、標準化されたものを使用するため大量生産にも対応できます。部材のコストを圧縮でき、工事費の高騰を抑制する効果が期待できます。また、先ほども紹介したように従来工法と比較すると工期も短縮化できるため、高い需要にも対応できるでしょう。

少子高齢化の影響もシステム建築で対応

福祉施設

システム建築が注目を集めているもう一つの理由として、建設業界における高齢化があります。今後は現場にいわゆるベテランの熟練工が不足するとみられているのです。熟練工を確保できなければ、従来の工法で高品質の建物を建設できない恐れが生じます。すると減少している熟練工の奪い合いになり、人件費の高騰する恐れが出てくるでしょう。そこでシステム建築がこの人手不足の問題を解決できるのではないかと考えられています。

建物を建設したい、しかしできることなら建築コストを安く抑えたいのであれば、システム建築の施工実績が豊富にある建築会社に相談してみるのも一つの方法です。このような背景もあり、施設建設にあたってシステム建築を導入するケースも増加していくとみられています。




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