本記事では、緑化デザインによって人間にどのような効果やメリットがあるのか解説していきます。また、実際に緑化デザインをする際の屋上・壁面・室内緑化についての事例にもふれていくため、参考にしてみてください。
■緑化デザインが人間にもたらす効果
・ストレス値を下げられる
・作業効率アップ
■緑化をデザインすると得られるメリット
・利用者の憩いの場となる
・花もデザインできる
・集客力がアップする
■緑化デザイン事例
・屋上緑化
・壁面緑化
・室内緑化
■緑化デザインする際の流れ
■まとめ
■緑化デザインが人間にもたらす効果
緑化デザインをすることで、人間にどのような効果があるのか以下でみていきましょう。
・ストレス値を下げられる
適正な量の目にみえる緑には、癒し効果があります。たとえば、緑視率が10~15%となった場合には、ストレスを平均11%軽減できるという実験結果が発表されています。緑視率とは、「人間の視野120度と奥行5メートルの範囲で緑を占める割合」です。
緑が少なすぎても多すぎても効果は発揮されません。癒し効果のある緑の量は常に最適でなければならない点は把握しておきましょう。
・作業効率アップ
室内に緑化デザインを取り入れることで、作業効率が向上します。空気を綺麗にするだけでなく、人が緑を目にすることで眼性疲労軽減にも役立つためです。そのため、企業内でも緑を取り入れる動きが加速しています。
■緑化をデザインすると得られるメリット
屋外・屋内の緑化を進めていくことで、もたらされるメリットは以下になります。
・利用者の憩いの場となる
屋上緑化をすると、利用者の憩いの場にできます。屋上緑化のデザインは決まった形がないため、植物を植えるだけでなくベンチを設置するなども可能です。自然あふれる空間を散策する、体を休めるなど利用者の意向に合わせた空間を作れます。
・花もデザインできる
緑だけでなく、花もデザインできます。花を設置することで季節の移ろいも感じられます。飽きのこないデザインとなるため、利用者の心に彩りを与えます。また、生花ではなく造花も選択肢の1つとして検討できます。
・集客力がアップする
緑化がもたらす効果として「癒し」があるため、訪れた利用者に対しても利用しやすい空間となります。心地よい空間であるため「また来たい」「家族や友人を連れてきたい」と考え、リピーターになってくれる可能性が高まるでしょう。
■緑化デザイン事例
ここからは、実際の緑化デザイン事例とそのポイントをみていきましょう。ただ緑を増やすだけでなく、美しくデザインしていくことでさまざまな効果が期待できます。
・屋上緑化
屋上緑化の構成には、大きく分けて以下の2点あります。
●用途別にエリアを区切るゾーニング型
●緑地の周囲を散策できる回遊型
以下は、散策を楽しむエリアと体を休ませるエリアが分かれているゾーニング型の事例です。
また、屋上緑化は設置する樹木の高さで屋上緑化の雰囲気は変わります。樹木のサイズによる効果をみていきましょう。
●背の高い樹木…周囲の目線を区切れる
●背の低い樹木…解放感が感じられる
外からの視線を区切りたい場合は、以下のように外周部に背の高い樹木を設置し、中心部には芝や背の低い樹木を設置するパターンがあります。緑地周辺を回遊できる「回遊型」にすることで、植栽配置が計画しやすくなります。
要望や利用者層に合わせ、自在に屋上をデザインできます。
屋上緑化に使用する植栽の種類によっても印象を変えることが出来ます。
樹木の種類は以下の2つに大きく分けて分類することができます。
●常緑樹…1年中葉をつける(シマトネリコ、シラカシ、キンモクセイ等)
●落葉樹…定期的に葉を落とす(サクラ、イチョウ、モミジ等)
常緑樹を選ぶ場合、冬場も緑を楽しむことが出来、落ち葉などがすくないため維持管理が楽です。落葉樹は紅葉などの季節感を感じることが出来ます。また、夏場は木陰をつくり冬には落葉することで日照を確保するなどの効果もあります。
目的にあわせて、植栽を組み合わせてデザインすることが重要です。
・壁面緑化
壁面緑化をデザインする場合は以下のようなパターンがほとんどです。
●フレームタイプ…使用できる植栽が豊富
●プランタータイプ…外壁のデザインを活かせる
フレームタイプは、以下のように風の流れをイメージして植栽を配置したり、周囲の山々をイメージしたデザインにしたりできます。周辺環境に合わせた壁面緑化をしたい場合に向いているといえるでしょう。
プランタータイプは、以下のように建物の外壁デザインを活かせる壁面緑化です。
壁面緑化には多様なシステムがあるため、専門業者に相談して納得できるタイプを選びましょう。
・室内緑化
室内緑化では、観葉植物の種類を変える・設置を工夫することで印象を大きく変えられます。たとえば、観葉植物の葉の形を変えるだけでも、得られる効果や印象は異なります。効果の違いを以下でみていきましょう。
●広く丸い葉…親しみやすい・コミュニケーションのシンボル
●大きな葉…室内の緑視率を高められる・存在感がある
●細く長い葉…スタイリッシュ・クールな空間になる
室内緑化の場合、観葉植物の鉢植えの色やデザインでも印象を大きく変えられます。鉢植えによる印象の違いについては以下のようになります。
●四角・ダークカラー…スタイリッシュでクール
●円形・明るいカラー…明るく優しい
以下の室内緑化の場合、白い鉢植えと大きな葉の観葉植物がデザインの要です。明るく優しい印象になり、緑の存在感が大きい空間になっています。
この空間に対して、反対にクールな印象にしたい場合は、四角いダークカラーの鉢植えに、細く長い葉を持つ観葉植物を設置してみてみましょう。室内緑化をおこなう場合は、植物だけでなく鉢植えとの相性を考えてデザインすることが大切です。
■緑化デザインする際の流れ
緑化デザインを専門業者に依頼する場合、以下の流れとなることが多いといえます。
1.問い合わせ
2.打ち合わせにて要望確認
3.現地調査
4.提案書・見積作成
5.契約
6.施行
7.アフターフォロー
緑化デザインにはさまざまな種類やタイプがあるものの、設置する場所や求める効果などによってデザインは変わります。また、設置した緑がいきいきとした姿を保つためにもアフターフォローの内容にも注目しておきましょう。
■まとめ
緑化デザインをすると、ストレス軽減や集客アップなど多くの効果やメリットが望めます。そして、建物やオフィスなどに合った緑化デザインをすれば、利用者の気持ちを明るくし、癒すことが可能だといえるでしょう。