緑化を設計する際の注意点|屋上・壁面・駐車場・室内の場所別に解説

2021.07.02

施設の緑化を検討している場合、さまざまな面に考慮しなくてはなりません。しかし、どのようなポイントに注意して設計したら良いかわからない人も多いでしょう。本記事では、屋上・壁面・駐車場・室内それぞれの緑化をする際に注意しておきたいポイントを解説していきます。

■屋上緑化を設計する際の注意点

設計 緑化
屋上緑化をする場合、注意しておかなくてはならないポイントがあります。場合によっては建物に大きな影響を与えてしまうことも把握しておきましょう。

・防水処理をする

植物に水を与えるため、防水処理が必要です。緑化の際の防水で大切なことは「耐久性」です。
防水処理には防水シート・塗膜防水・アスファルト防水などがあります。いずれの方法であっても、一度屋上緑化をしてしまうと簡単に修理や交換ができなくなる点に注意が必要です。

また、経年劣化などで防水シートに亀裂が入ってしまった場合、建物内の雨漏りにも繋がりかねません。防水処理をする場合は耐久性に注目し、水の管理ができるようにしておきましょう。

・風に強い設計にする

屋上は強い風が吹きやすいため、緑化の際は風に強い設計にしましょう。
風の強さに注意しなければ、樹木の倒木や土壌が飛散する可能性が高まります。

建物が受ける風の強さは「風荷重」と呼ばれ、建築基準法に規定があるものです。地域による基準風速の違いや地表面の状態による平均風速の違いなどが考慮されているため、風荷重を参考に設計しましょう

・積載荷重を確認する

屋上においてどの程度緑化できるかは「積載荷重」が重要です。
屋上に載せられる重さは、緑化する建物の使用目的や緑化面積によって決まっています。設計の際は、積載荷重条件をチェックしましょう。

・耐根対策をする

植物の根が建物に入り込まないための対策が必要です。
耐根対策をする場合、耐根シートの利用や耐水処理と合わせて耐根処理を行う方法があります。建物の見た目だけでなく性能を守るためにも、耐根処理は大切なポイントです。

■壁面緑化を設計する際の注意点

設計 緑化
壁面緑化を設計する場合の注意点も見ていきましょう。

・植栽後の維持管理も計算する

壁面緑化を設計する場合、植栽後の維持管理も検討しなければなりません。壁面緑化は、水やり・病気・害虫駆除の管理が難しいものです。植える植物は病気や虫に強いかなど、維持管理をしやすいよう設計時に考慮しておきましょう。

・つる植物の生育は時間がかかる

壁面緑化では、つる植物を壁面につたわせる手法も人気です。しかし、つる植物が生育するまでには時間がかかります。設計時につる植物が生育するまでの期間を考慮して、予定通りのタイミングで生育するかを検討することが大切です。

■駐車場緑化を設計する際の注意点

設計 緑化
駐車場緑化を設計する場合の注意点は以下の通りです。

・生育に時間がかかる植栽がある

駐車場緑化の場合、緑化を行ってから植栽が根付くまで時間が必要です。壁面や屋上の緑化と違い、緑化を施工した上を歩行者や車が通ります。生育が十分でない緑の上を走行したり歩いたりした場合は、植物が傷んでしまいます。

なお、生育した植栽を設置する緑化方法があるため、時間がない場合は生育に時間がかからないタイプを選ぶと良いでしょう。

・緑化面積を確保するかどうか

駐車場の緑化の際、利用者の用途に応じて緑化面積を確保しなくてはなりません。
駐車場全体を緑化すれば緑化面積を確保できるものの、利用状況や利用者の属性によってはコンクリートの駐車場が適しているといえます。

たとえば、車の出入りが激しい出入り口部分は緑化に適していません。また、ハイヒールで歩く人がいると想定される場合は、歩行部は緑化せずに舗装して歩きやすくするなどの工夫も必要です。

緑化によって歩きにくくなった場合は、利用者の足は遠のくと予想されます。バリアフリーや歩きやすさを検討したうえで、多くの人が使いやすい駐車場を設計しましょう。

■室内緑化を設計する際の注意点

設計 緑化
室内緑化をする際の注意点を見ていきましょう。

・植物にとって好ましい室内環境にする

植物にとって、良い状態の室内環境を確保することがポイントの1つです。
耐陰性と呼ばれる、比較暗い場所でも生育する植物であっても、ある程度の明るさがなくては生育しない点に留意しましょう。

また、温度も重要です。植物は大きな気温の変化に弱く、寒すぎる・熱すぎる環境を好みません。エアコンなど空調設備機器の吹き出し口など、風が強く当たる部分も適さないため設置は控えましょう。


・排水、積載荷重など対策する

室内緑化では、排水は行えるか・積載荷重の条件は満たしているかなどを確認しなければなりません。水やりなどによる、防水層の保護なども大切です。重量のある土壌に足して、適宜水やりを行う点も設計時には注意を払いましょう。

■まとめ

緑化の設計は、自然環境・建物のある場所・緑化の設置場所などを検討しつつ、行っていく必要があります。植物を健やかに生育する環境作りを意識しましょう。

また、利用者にとって緑化後も使いやすい場所でなければなりません。利用者層と使いやすさを検討することで、より多くの人に愛される場所となります。




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