グループホームのポイントと低コストで建築する手法

2019.01.31

更新日:2023.1.27

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは

グループホームとは、65歳以上の高齢者で要介護認定を受けており、かつ認知症である方が共同生活を営む住居です。
家庭的な環境と地域住民との交流のもとで、入浴、排泄、食事等の介護その他の日常生活上の世話および機能訓練を行います。5人~9人がひとつの共同生活単位で、ひとりひとりの個室は7.43㎡(約4.5畳)以上です。
グループホームは介護サービスの中では、地域密着型サービスに位置づけられます。
地域密着型サービスは介護保険者である市町村が、地域の実情に応じて整備計画を作成し、指定を行います。
また利用者は原則として、その市町村の被保険者のみが利用できます。認知症を患っても、住み慣れた地域で生活を営むよう、市町村がきめ細かく整備を考えています。

グループホームのポイント

グループホームの設計においては、ユニットごとの生活スタイルをどのように考えるかがポイントとなります。
ひとつは日中、入居者が集まる居間・食堂を囲うように個室を配置するものです。個室を出ればすぐに居間ですので、一緒に生活する人をより身近に感じることができます。また見守るスタッフさんにおいても、個室内での異変に気づきやすい間取りとなります。
もうひとつは、個室は個室でまとめ、居間・食堂とは離して配置をするものです。個室はよりプライベートな空間として感じることができ、ひとりでゆっくり過ごすことができます。どのように過ごしてもらいたいか、どのようにサービス提供をしたいかで間取りが変わりますので、その想いを設計士に伝えることが必要です。

有料老人ホームとグループホームの違い

外観イメージ

有料老人ホームとグループホームの違いをみていきましょう。有料老人ホームの入居条件は、施設ごとに異なりますが、自立可能な方から要介護が必要な方まで、高齢者全般が対象となります。施設数が多いことに加え、定員数の規模も大きいといえます。また、施設数も多いため、入居のハードルは高くありません。

対して、グループホームの場合は要支援レベル2以上で、認知症の診断を受けている高齢者が対象の施設です。また、施設と同じ自治体に住民票があることが条件となります。

規模が小規模なため、入居までに数か月の待機が必要な場合もあります。

低コストで建築する手法

過ごし方、サービス提供内容の想いをかたちにすることが設計士、施工会社の役目です。とはいえ、ひとつひとつ手作りなのが建物です。ゼロからプランニングをするにはかなりの時間が必要です。また想い、こだわりを積み重ねていった結果、当初予算を大幅にオーバーしてしまうことも少なくありません。グループホームは入居する方の介護度によって報酬単価が決まっており、1ユニット定員も最大9人のため、月ごとの最大収入が決まります。
想い通りに建った建物で、それに見合う収入であれば良いですが、長期間運営するためには収入に見合う予算で、かつ想いを最大限にかなえた建物であることが理想です。
そこで、ある程度ベースとなるプランができあがっている、システム建築を採用すれば、低コストで建築することが可能です。システム建築は経済的な柱割(建物を建てるために柱の配置や大きさを決めること)をもとにプランを構成しており、また主要部材を工場で製作して現場で組み立てる作業を行うことで、作業工程の簡略化により低コストを実現しています。ベースプランがあることで、打合せ作業もスムーズです。自らの想いやこだわりをポイントで入れることも可能です。

まとめ

入居者と職員イメージ

グループホームを建設する際は、設置場所だけでなく、人員や居室数などの必要な要件を満たしている必要があります。助成金・補助金などにおいても、要件を満たさなければ、申し込みさえできないものもあるため、注意しましょう。

要件を満たしつつ、どのような設計でグループホームが建てられるのか、設計者と相談しつつ進めていくことが大切だといえます。




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