住み続けられるまちを築くために 安全と安心を届ける福祉仮設住宅

2022.05.30

 2019年10月、各地に甚大な被害をもたらした令和元年東日本台風。埼玉県川越市の特別養護老人ホーム 川越キングス・ガーデンも浸水被害を受けて、他施設への分散避難を余儀なくされました。
幾度となく水害の被害を受けていたこともあり、運営主体のキングス・ガーデン埼玉は高台移転を決意。それまでの間、安全・安心に過ごせる福祉仮設住宅の整備を川越市を通じて埼玉県に要望し、2020年3月に完成しました。
頻発する自然災害に備えて、誰もが住み続けられるまちを築くために、全国でも例の少ない福祉仮設住宅の取り組みを紹介します。

整備のカギ

  • 災害救助法に基づく、迅速な対応
  • 福祉施設として適切な設計や設備の工夫
  • 知見の共有と日頃からの備え

頻発する水害に対応するため移転と福祉仮設住宅の整備へ

 越辺川おっぺがわの堤防決壊により建物1階が浸水する被害を受けた川越キングス・ガーデンは、入所者や職員が一時孤立。自衛隊の協力による救援後、近隣小学校への一時避難を経て、30以上の近隣施設の協力のもと、数名ずつに分散しての二次避難が行われました。分散避難中も職員の皆さんは、施設を巡回して、サポートを続けてこられました。
 川越キングス・ガーデンでは、毎年のように水害が頻発するなか、浸水被害も2度目であったことから、入所者や利用者、職員の命と生活を守るため、高台への移転を決意。北海道胆振東部地震の際に、大和リースが整備を担当した福祉仮設住宅の存在を知り、新施設完成までの間、分散避難している入所者が安全安心に生活できる福祉仮設住宅の整備について、川越市を通じて埼玉県に陳情を行われました。

外観

バリアフリーの福祉仮設住宅で共に過ごせる日々が戻る

 陳情をふまえて、埼玉県、川越市、関係省庁による協議の結果、2019年12月、埼玉県は災害救助法に基づく福祉仮設住宅の建設を決定。埼玉県が災害協定を締結している一般社団法人プレハブ建築協会への建設要請を行い、大和リースが施設整備を担当しました。
 福祉仮設住宅の建設が開始されたのは、2020年1月。居室棟3棟と食堂棟で構成されたバリアフリー仕様の本施設は同年3月に完成。分散避難をしていた入所者や利用者、職員の皆さんが、再び一緒に暮らし集える日々が戻りました。
 自然災害が頻発するなか、誰もが安全・安心に暮らすことができる環境を迅速に整備し、持続可能で住み続けられるまちを共に築いていくために、大和リースはシステム建築のリーディングカンパニーとして、豊富な実績とノウハウで貢献します。

仮設住宅内の様子
廊下
居室内

[DATA]

所在地 埼玉県川越市
延床面積 2,111m2
リース期間 2020年4月1日〜2022年3月31日



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