企業主導型保育事業とは
企業主導型保育事業とは、子ども・子育て拠出金を負担している事業主が事業所内に保育施設を設置して実施する保育事業のことです。「保育事業を行う事業者が企業のために保育施設を設置し、子ども・子育て拠出金を納めている企業がそれを利用する場合」や「従業員のみを対象として設置された事業所内保育施設の空き定員を、他の子ども・子育て拠出金を負担している企業が利用する場合」もこれにあたります。
・企業主導型保育施設の利用定員
「従業員枠」と「地域枠」の2つの区分がなされます。従業員枠はその保育事業を実施する企業の従業員、または保育事業を実施する企業と利用枠契約を行っている企業の従業員のための枠です。地域枠は従業員ではない一般の地域住民のための枠です。
企業主導型保育事業では、利用する子どもの年齢や人数に応じて次のように所定の人数の保育従事者を配置しなければなりません。
上記の数の合計に1人以上を加えた数の保育従事者を配置するよう定められています。保育従事者は半数以上が保育士資格を有していなければならず、残りの者も「子育て支援員研修」(地域保育コースのうち地域型保育)を修了しているか受講を予定している必要があります。
・企業主導型保育事業の設備基準
(1)利用定員20名以上で、乳児または満2歳に満たない幼児を入所させる場合
・乳児室・ほふく室、医務室、調理室、幼児用便座の設置
(2)利用定員20名以上で、満2歳以上の幼児を入所させる場合
・保育室または遊戯室、屋外遊技場、調理室、幼児用便座の設置
(3)利用定員20名未満で、乳児または満2歳に満たない幼児を入所させる場合
・乳児室またはほふく室、調理設備、幼児用便座の設置
(4)利用定員20名未満で、満2歳以上の幼児を入所させる場合
・保育室または遊戯室、屋外遊技場、調理設備、幼児用便座の設置
(5)保育室を2階以上に設ける場合
・建築基準法第2条第9号の2に規定する耐火建築物であること。
または第2条第9号の3に規定する準耐火建築物であること。
(6)上記の定めに加え、「認可外保育施設指導監督基準」を遵守するもの
また、企業主導型保育事業の整備費と運営費に当たっては助成金が支給されます。
整備費には、人口密度や定員区分における基準額と、実際にかかった工事費用に4分の3を乗じた額と比較し、低い方の額が助成されます。運営費には、地域、定員、年齢、開所時間、保育士比率の区分における基準額を基礎として助成されます。
設置方法検討の流れ
企業主導型保育事業を開始するに当たっては、次のような流れで検討を行うと良いでしょう。
(1)設置方法を検討
自社のみで単独設置・利用するのか、他社と共同で設置・利用するのかを検討します。
(2)運営方法を検討
自社で従業員を雇用して直接運営する方法と、保育事業者に運営を委託する2つの方法が考えられます。
(3)ニーズの把握
入所させる子どもの人数や年齢について、ニーズの事前調査を行います。事業としての成立を左右する重要なポイントです。
(4)保育施設の設置方法を決定
建築基準法・消防法・食品衛生法などの各法令・条例を遵守しつつ設置方法を決定します。地方自治体に認可外保育施設として設置の相談を行ってください。
企業主導型保育をスムーズに開設するポイント
企業主導型保育は認可外保育園にあたる保育事業です。株式会社、医療法人、社会福祉法人、学校法人など業種・法人種別に関わらず多種多様な法人が毎年設置申請を行っています。開設にあたっては、設置方法を決定して助成金申請を行うこととなりますが、早々に締め切られることがあるので注意が必要です。
助成金の申請方法は電子申請ですが、建物配置図や平面・立面図を添付しなければなりません。これらの図面の打合せや作図には最低でも1ヶ月は必要ですから、申請に向けてなるべく早めに動き始めることが成功のポイントです。スムーズな申請のためには保育運営事業者の紹介や保育園設計・工事に求められる基準を熟知している、助成金申請の経験があるなど、全体の流れから各工程での詳細が分かるパートナーを選び、依頼することがスムーズに開設するポイントです。
企業主導型保育園の現状
2016年から始まった企業主導型保育所は現在定員が6万人以上とかなり増加しました。企業主導型保育事業を推進する内閣府は2019年1月に全国の企業主導型保育所の利用状況を公表しましたが、2018年3月末時点での定員に対する利用率は約61%に留まり、折角設置された保育所が十分に活かされていない状況が明らかになりました。
手厚い助成金が有り認可保育園等と比較すると参入が容易なため、一部の企業主導型保育園では採算が合わず突然休園してしまうケースが問題となっています。設置者側も手厚い整備費や運営費の助成金を当てにしすぎず近隣のニーズを把握し、十分な見通しを持って設置検討をする必要があります。一方で、待機児童の問題を抱えた地域でも、企業主導型保育園が十分に利用されていない地域があります。自治体側も、認可保育所に入れなかった保護者に対し、企業主導型保育所に空きがあることを伝える仕組みを整える必要があるでしょう。
保育・児童施設の資料請求はこちらより>
システム建築・プレハブの資料請求、ご相談はこちらから。
2016年から始まった企業主導型保育所は現在定員が6万人以上とかなり増加しました。企業主導型保育事業を推進する内閣府は2019年1月に全国の企業主導型保育所の利用状況を公表しましたが、2018年3月末時点での定員に対する利用率は約61%に留まり、折角設置された保育所が十分に活かされていない状況が明らかになりました。
手厚い助成金が有り認可保育園等と比較すると参入が容易なため、一部の企業主導型保育園では採算が合わず突然休園してしまうケースが問題となっています。設置者側も手厚い整備費や運営費の助成金を当てにしすぎず近隣のニーズを把握し、十分な見通しを持って設置検討をする必要があります。一方で、待機児童の問題を抱えた地域でも、企業主導型保育園が十分に利用されていない地域があります。自治体側も、認可保育所に入れなかった保護者に対し、企業主導型保育所に空きがあることを伝える仕組みを整える必要があるでしょう。
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