ターミナルケア(終末期医療)とは?|内容や看取りケアとの違いを解説

2022.10.14

ターミナルケアは、終末期の患者さんに行うケアのことを意味します。「看取りと似ているけど違いがわからない」「施設でどのようなケアを行えるのかわからない」という方もいるでしょう。
本記事では、ターミナルケアの定義や実際のケアについてご案内します。

ターミナルケアとは?

介護イメージ

・ターミナルケア

ターミナルケアは、「終末期医療」「終末期看護」とも呼ばれています。
点滴や酸素吸入などの医療的ケアが中心となります。
人生の終末期、病気の終末期が来たとき、医療治療による延命よりも、苦痛を緩和して、残りの時間を自分らしく過ごし、穏やかに過ごすためのケアです。

・看取りとの違い

ターミナルケアと看取りとの違いは、医療行為があるかどうかです。看取りは点滴や酸素吸入などの医療行為はせず、食事や入浴、排せつなどの日々の生活ケアを中心に行われます。

ターミナルケアを行う場所

ターミナルケアは、在宅・介護施設・医療施設で受けることが可能です。

・在宅

慣れ親しんだ自宅で、家族と共に最後の時間を過ごせる場所です。
医療施設や介護施設に比べると、費用を抑えることができます。
しかし、家族は食事や入浴、排せつなどの日常生活のサポートを行うことが必要です。心身ともに負担がかかることもあり、ケアマネージャーや訪問介護など、適切な介護サポートを利用することが望ましいです

・介護施設

ケアができる介護施設は、有料老人ホーム・介護老人保健施設・特別養護老人ホームなどの高齢者入居施設です。
介護のプロがケアをしてくれるため、患者さんはあまりストレスを感じることなく過ごすことができるでしょう。家族は介護のために体力的、精神的に追い詰められることが少なく、患者さんと向き合うことに集中できます。
介護士や他の利用者さんともコミュニケーションを取る機会があるため、孤独感を感じることも少ないでしょう。
しかし、入居費がかかるため、在宅に比べると経済的な負担が発生します。

・医療施設

医師や看護師がいるため、体調の急変があった場合でも速やかに対応してもらえる場所です。
しかし、入院費と治療費がかかるため、経済的な負担が大きくなります。
面会時間が限られているため、家族と離れる時間も多くなります。
対応に安心な場所ですが、費用や家族と過ごす時間の取り方など、それらのバランスを考えることも必要です。

ターミナルケアの内容

施設内イメージ

ターミナルケアの具体的な内容についてみていきましょう。大きく分けて3種類のケアに分かれます。

・身体的ケア

痛みを緩和させるための点滴・投薬などを行います。病気の進行などによって体に痛みがある場合、心穏やかに過ごせない・夜眠れないなどの苦痛があることも少なくありません。その苦痛を点滴・投薬などの医療行為によって和らげます。
医療ケアだけでなく、排泄や入浴の介助も身体的ケアです。できる限り体へのストレスを感じさせないようなサポートも含まれている点も把握しておきましょう。

・精神的ケア

終末期である患者さんは死への恐怖に直面しています。また、遺されていく家族の心配もあるため、精神的に不安定になってしまうでしょう。患者さんの心を落ち着かせるために、寄り添う・カウンセリングをするなどのケアを行います。
また、家族と過ごす時間を増やし孤独感や寂しさを払拭することもサービスの1つです。

・社会的ケア

社会的ケアは、主に費用面に対するケアです。例えば、施設の利用料や医療費で家族に迷惑をかけているのではないかと、患者さん自身が思いつめてしまうことも想定されます。地域や施設の専門家と相談しながら、ケアをどのように継続していくか、考えましょう。
また、社会的な立場の喪失による気分の落ち込みもケアの対象です。この場合は、精神的ケアと合わせてサポートしていきます。

まとめ

施設スタッフイメージ

ターミナルケアとは、終末期の患者さんに対して行うケアです。痛みの緩和や精神的・社会的ケアなど、総合的なサポートを行うサービスだといえます。病院だけでなく、施設や在宅でも可能です

施設では、介護のプロによるケアと協力医療機関が連携したケアを受けることが可能です。それぞれのケアの特徴を把握したうえでサービスを利用していきましょう。


システム建築・プレハブの資料請求、ご相談はこちらから。