■認定駐車場について
・認定駐車場とは
・認定品表示板制度が2018年から開始されている
■自走式立体駐車場の認定の種類
・一般認定
・個別認定
・防耐火認定
・型式適合認定
■認定されるメリット
・主要構造部の鉄骨に耐火被覆が不要
・消防設備が簡易になる
・工期が短縮でき建築コストを抑えられる
■自走式立体駐車場でも認定制度がある
■認定駐車場について
ここでは、認定された駐車場とはどのようなものなのか解説していきます。
・認定駐車場とは
認定駐車場とは、国から認定を受けた自走式立体駐車場です。国土交通省において、安全性に関する厳しい基準をクリアすると認定を受けられ、晴れて認定駐車場と認められます。認定された駐車場は構造の耐力、防災時の避難、維持管理の厳しい基準に沿った安全な建築物だといえます。
また自走式の駐車場とは、機械を介さず自動車を自らの走行運転でスロープ等を利用し入庫・出庫をする駐車場のことです。現在では、認定された駐車場はその安全性から災害時の避難場所として利用されるケースもあります。
・認定品表示板制度が2018年から開始されている
認定を受けた駐車場は、2018年から認定表示板を表示する制度ができました。認定表示板は、利用者にみやすい位置に設置されます。国によって安全性を確認できたことを証明するものとなり、利用者に安心感を与えるものだといえるでしょう。
■自走式立体駐車場の認定の種類
前述したように、自走式立体駐車場は認定制度の基準があります。ここでは、認定の種類についてみていきましょう。
・一般認定
一般認定は、国交省により決められた基準、安全性に関してシステム化された全てのルールで適用される認定です。現状、1階建て(1層2段)~6階建て(6層7段)までの駐車場が商品化されています。
・個別認定
個別認定は、限定的にその物件のみの適用で個別に認定されることです。一般のように様々な制約はなく、自由度が高いという特徴があります。
また、個別認定の取得費用について、規模が大きいほど費用がかからないため、建設コストを下げることが可能です。ただし、一般認定に比べ個別認定は取得に約6か月と長い時間がかかってしまう難点には注意が必要です。
・防耐火認定
防耐火認定は、3階建て以上の駐車場が対象です。施工時に、国土交通大臣により防火壁装材料の標準施工法で審査された防火材料を使用され建築します。そうすることで、固定式消火設備不要となるためコストダウンにもつながり、効率的に防耐火認定を受けることが可能です。
・型式適合認定
型式適合認定は、国土交通大臣が指定する機関により建築物の構造上の技術的基準に適合した設置条件を審査されたものです。そのため、構造計算適合判定の審査が免除され、認定されるまでの申請期間が大幅に短縮されます。
■認定されるメリット
認定を受けるとどのようなメリットがあるのか解説します。
・主要構造部の鉄骨に耐火被覆が不要
認定された立体駐車場は、煙の蓄積がされにくい設計です。すでに防耐火設備で建築基準法の認定を受けているため、耐火被覆は不要です。外観を損なわない点がメリットとなります。
・消防設備が簡易になる
認定自走式駐車場は、外壁を設けないことが原則となっています。本来なら耐火建築物は防火区画や防火シャッターなど要するものの、認定を受けた駐車場は消火設備を簡略化することが可能です。また、外壁がない構造のため、津波などの水害に強いという点もメリットとして挙げられます。
・工期が短縮でき建築コストを抑えられる
認定される駐車場は、基本的な仕様がすでに定められています。認定された駐車場は建築工程がシンプルで、必要な資材は明確となっているため、効率的にかつスピーディーに完成させられます。
高品質ながら低コストで短期間の工事が実現可能という点は、認定制度のメリットです。
■自走式立体駐車場でも認定制度がある
自走式立体駐車場は、建築基準法によって以下のように一定の基準で認定制度が設けられており、認定されると様々なメリットを受けられます。
- 耐震性能が優れている
- 耐防火性能が備わっている
- 延焼防止性能が備わっている
- 消火設備の設置
基準をクリアすることで認定され、様々な緩和措置を受けることが可能です。また、様々な手間が省けるため、建築コストカットを実現できるのもメリットだといえるでしょう。
国土交通大臣によって安全を保障され、安心して利用できる自走式立体駐車場は、災害の多いこの日本では避難場所として指定されることもあります。
そして、併設された施設を便利に利用できる点はお客様にとっては嬉しいポイントです。雨の日のショッピングセンターでは、とくに立体駐車場が人気を集めます。様々な利点から、認定立体駐車場は今後の発展にも期待できるでしょう。