本記事では、機械式と自走式の特徴や種類にふれたうえで、マンションで自走式への建て替え需要が増加している背景についてみていきましょう。
■マンションの立体駐車場とは
■マンションの機械式立体駐車場の種類
・二段・多段式
・タワー式
■マンションの立体駐車場利用の移り変わり
■マンションの自走式駐車場の種類
・フラット式
・スキップ式
・スキップ式
■マンションの立体駐車場は機械式から自走式へ
・機械式駐車場の課題
・自走式駐車場のメリット
・機械式と自走式のコスト比較
・建て替え需要が増す理由
・自走式立体駐車場は災害に強い
■まとめ
マンションの立体駐車場とは
立体駐車場とは、駐車場を多層化・立体化したうえで、より多くの車を停められる施設です。広さが限られた土地であっても多くの駐車台数を確保できるため、マンションのように多くの利用者が見込まれる場所によく使用されます。
立体駐車場の形式は、機械式と自走式の2種類です。それぞれの方式の違いは以下になります。
機械式 | 自走式 | |
---|---|---|
必要な土地面積 | 小さい | 大きい |
車の停めやすさ | 正確な位置に停めないと機械が動かない | 車室ライン内に駐車する必要がある |
維持費 | 高い | 安い |
マンションの機械式立体駐車場の種類
機械を使って車を移動させる特徴を持つ機械式には、大きく分けて2種類のタイプがあります。また、車の出し入れに時間が掛かる点や維持コストが掛かる点は把握しておきましょう。
・二段・多段式
二段・多段式はフォークリフトのように車を昇降させ、それぞれの階層に車を停める方式です。車を二段にして停める方法が二段式、三段以上になる場合は多段式となります。マンションでの設置率は6割を超えているため、メジャーな駐車場だといえるでしょう。
地上に2階立てを作る地上二段式の他には、地下に駐車スペースを作るピット二段式やパレットが左右にも移動するパズル式などの種類もあります。
・タワー式
タワー式は、比較的車を停められる数が多いため、大型マンションに適した駐車場です。例えば、車を観覧車のように回転させて車を出し入れする垂直循環方式や地下部分を水平に移動する水平循環方式があります。
駐車スペースと昇降装置を組み合わせるエレベーター方式も多くの車を停められる方式です。エレベーター方式には、縦式・横式・旋回式の3つのタイプがある点も把握しておきましょう。
マンションの立体駐車場利用の移り変わり
これまでマンションの自走式の立体駐車場では機械式が多く用いられてきたものの、現在では自走式の人気が高まっています。
例えば、機械式の立体駐車場は、メーカーによるものの20年程度で入れ替えが必要・ランニングコストが掛かる、などデメリットがあります。対して、自走式は維持管理費が安く、耐久性が高いのです
機械式の立体駐車場が入っている既存マンションの管理組合などは、機械式から自走式への切り替えを行っているため、自走式の設置台数の割合が高まっています。
マンションの自走式駐車場の種類
車を運転して自ら移動させるタイプを自走式立体駐車場と呼びます。車の出し入れが容易である点、大きな車も停めやすい点がメリットといえます。最上階以外には屋根があるため、天気を気にする必要がなく、快適に乗り降りできるでしょう。
ここでは、自走式のタイプについて詳しくみていきます
・フラット式
フラット式は、駐車スペースの各層をスロープでつなぐ方式です。駐車スペースと移動する車・人の動線を分けられるため、比較的安全な移動が可能です。車を停める場所は平坦であるため、足元が不自由な方やお子様連れの方も乗降しやすいでしょう。
・スキップ式
駐車層を半階ずつずらしているため、スロープを短くできます。見通しが良く、安全に車を移動・駐車可能です。敷地に高低差がある場合や狭い敷地に有効です。
・連続傾床式
昇降のためのスロープと駐車スペースを兼ねた方式です。緩やかならせん状となっているため、車を多く停められます。
マンションの立体駐車場は機械式から自走式へ
機械式には、維持コストをはじめとした課題があります。そのため、自走式への建て替え需要が増えています。ここからは、具体的な課題や自走式のメリットをみていきましょう。
・機械式駐車場の課題
機械式の課題は、維持コストが高額となる点です。維持コストは以下の3点が該当します。
- 毎年必要になる維持費
- 設備が耐用年数に達した際の交換
- 修繕費用
毎年必要になる維持費は、1台あたり1万円~1万2,000円/年です。25年~30年経過すると機器の耐用年数が過ぎてしまうため、新品への交換が必要となります。新品への交換は1パレットあたり100万円程度です。
耐用年数に達しなくても、年数が経過すれば故障や劣化する機器が増え修繕費も必要となるでしょう。また、一時金や積立金の増額など、住民に負担してもらう額が増加する可能性があります。
・自走式駐車場のメリット
自走式は、機械式に比べて維持コストが安価です。また、機械式は災害があった場合に、停止してしまうリスクもあります。対して、自走式は災害時であっても利用できる可能性が高いといえます。とくに耐震に関しては、部材が鉄骨である点など設計段階である程度考慮して作られている点は把握しておきましょう。
・機械式と自走式のコスト比較
ここからは、機械式から自走式への建て替えを行った場合と機械式で使用を続けた場合、機械式は、20年目毎の建て替えが必要になります。そのうえで、40年運用する場合は耐久性の高い自走式の駐車場の方がコストを低く抑えることが可能です。必要なコストが大きく異なるため、機械式から自走式への切り替えも検討しましょう。
・建て替え需要が増す理由
機械式から自走式への建て替え需要が増す理由の1つとして、人々の車離れがあります。高齢者による免許の返納や若い世代が車を購入しないなどの事情も検討した場合、車を所有するマンション住人の数は今後も減っていくと想定されます。地上階にのみ車が停まっている状態も珍しくありません。
また、機械式は、利用者が少なくても駐車場のための修繕積立金が発生する可能性があります。住民にとって家賃以外のコストはデメリットにしかなりません。そのため、自走式への建て替え需要が増しているといえます。
・自走式立体駐車場は災害に強い
機械式立体駐車場は台風などの豪雨が発生した場合、車両が水没する可能性があります。また、災害時に停電が発生してしまうと車を使用できません。大きな地震が発生した際には、装置内の機械損傷や部品落下の危険性があるなど二次災害が起きるリスクも検討しなければなりません。
対して、自走式立体駐車場は、強度の強い安定構造で耐震性が高いだけでなく、停電が発生したとしても車を使用可能です。それだけでなく、広い空間と堅牢な屋根床版を持っているため、災害時に多くの人の収容ができるでしょう。
また、支援物資を積載した車両をそのまま収容できるため、災害時に支援物資の発着拠点としても利用できます。自走式立体駐車場は災害に強いため、災害発生時の避難場所にも活用できる点は魅力の1つだといえます。
機械式の課題は、維持コストが高額となる点です。維持コストは以下の3点が該当します。
- 毎年必要になる維持費
- 設備が耐用年数に達した際の交換
- 修繕費用
毎年必要になる維持費は、1台あたり1万円~1万2,000円/年です。25年~30年経過すると機器の耐用年数が過ぎてしまうため、新品への交換が必要となります。新品への交換は1パレットあたり100万円程度です。
耐用年数に達しなくても、年数が経過すれば故障や劣化する機器が増え修繕費も必要となるでしょう。また、一時金や積立金の増額など、住民に負担してもらう額が増加する可能性があります。
・自走式駐車場のメリット
自走式は、機械式に比べて維持コストが安価です。また、機械式は災害があった場合に、停止してしまうリスクもあります。対して、自走式は災害時であっても利用できる可能性が高いといえます。とくに耐震に関しては、部材が鉄骨である点など設計段階である程度考慮して作られている点は把握しておきましょう。
・機械式と自走式のコスト比較
ここからは、機械式から自走式への建て替えを行った場合と機械式で使用を続けた場合、機械式は、20年目毎の建て替えが必要になります。そのうえで、40年運用する場合は耐久性の高い自走式の駐車場の方がコストを低く抑えることが可能です。必要なコストが大きく異なるため、機械式から自走式への切り替えも検討しましょう。
・建て替え需要が増す理由
機械式から自走式への建て替え需要が増す理由の1つとして、人々の車離れがあります。高齢者による免許の返納や若い世代が車を購入しないなどの事情も検討した場合、車を所有するマンション住人の数は今後も減っていくと想定されます。地上階にのみ車が停まっている状態も珍しくありません。
また、機械式は、利用者が少なくても駐車場のための修繕積立金が発生する可能性があります。住民にとって家賃以外のコストはデメリットにしかなりません。そのため、自走式への建て替え需要が増しているといえます。
・自走式立体駐車場は災害に強い
機械式立体駐車場は台風などの豪雨が発生した場合、車両が水没する可能性があります。また、災害時に停電が発生してしまうと車を使用できません。大きな地震が発生した際には、装置内の機械損傷や部品落下の危険性があるなど二次災害が起きるリスクも検討しなければなりません。
対して、自走式立体駐車場は、強度の強い安定構造で耐震性が高いだけでなく、停電が発生したとしても車を使用可能です。それだけでなく、広い空間と堅牢な屋根床版を持っているため、災害時に多くの人の収容ができるでしょう。
また、支援物資を積載した車両をそのまま収容できるため、災害時に支援物資の発着拠点としても利用できます。自走式立体駐車場は災害に強いため、災害発生時の避難場所にも活用できる点は魅力の1つだといえます。
まとめ
立体駐車場の中でも機械式は維持コストが掛かるといえます。自走式であれば、収容台数を維持したままコストを減少させられます。
管理するマンションの立体駐車場を健全に運営するためにも、機械式・自走式それぞれの特徴を把握し、建て替えを検討してみましょう。
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