自走式立体駐車場の種類と違い

2020.03.13

一口に自立式立体駐車場といっても、設計や仕組みによっていくつかの種類があります。
そこで今回は駐車場の種類について詳しく解説していきます。

駐車場の種類

まず、駐車場は自走式と機械式に大別されます。前者は自動車をドライバーが運転し入庫・出庫する方法。立体駐車場をはじめ、平面駐車場もここに分類されます。

一方、機械式は自動車の駐車に機械を用いるもの全般を指します。自動車用の導線が不要となるため、自走式に比べて駐車台数を多くできるのが特徴です。ただし、入庫・出庫に手間がかかるというデメリットがあります。

自走式立体駐車場の特徴

ここからは自走式立体駐車場の特徴をもう少し詳しく見ていきましょう。

平面駐車場と比較した場合、自走式立体駐車場は屋根があるため、直射日光や雨風から自動車を守れるというメリットがあります(屋上階を除く)。また、セキュリティ面も比較的安心です。

空間を立体的に使える分、駐車台数を多く確保できるという点も優れています。一方で、自動車の入庫・出庫の手間は平面駐車場にやや劣ります。とはいえ、そこまで大きな差があるとはいえないでしょう。

なお、機械式に比べると車の高さや重量の制限もありません。ただし、車高に関しては条件付となるケースもあります。

【タイプ別】自走式立体駐車場の特徴とメリット

自走式立体駐車場にはさらにいくつかの種類があります。以下から、それぞれの種類の特徴やメリット、用途例をご紹介します。

●フラットタイプ

各階にまたがる専用スロープとフラットな駐車スペースを連結させたタイプ。自走式立体駐車場のなかではもっとも基本的かつシンプルな形式です。なお、スロープの勾配は15%以下が目安となるため、スロープを20m前後で設計する必要があります。

敷地の形状に合わせて出入り口等を自由に設計できるため、動線の分離なども容易です。特定時間に入庫・出庫が集中するような場合でも、安全かつスムーズな入れ替えが実現します。利用者様としても、場内の見通しがよいため自分の自動産の位置が把握しやくす、利便性に優れます。

[用途例]

安全性と設計の容易さから、フラットタイプは幅広い用途で用いられています。たとえばホテルや病院、ショッピングモールなどに設置される大規模な駐車場はその代表例です。床が水勾配程度であるため、ショッピングカートはもちろん車椅子やベビーカーを利用するような施設にも最適といえるでしょう。その他、マンションや社員寮といった集合住宅でも利用されており、屋上を集会場や庭園などに利用するといった事例もあります。

 

●スキップタイプ

フラットな駐車スペース(フロア)を半階ずつ段違いにずらし、それぞれをスロープ結んだタイプ。フラット式との大きな違いはスロープの短さです。スキップタイプのスロープは半階分のみの昇降でよいため、省スペース化を実現できます。駐車効率に優れるほか、幅が狭い土地にも対応できるのは大きなメリット。敷地に合わせてフラットタイプかスキップタイプを選択することも少なくありません。なお、段差や傾斜などの多い土地に設置しやすいという特徴もあります。

スロープの短さはドライバーの方にとっても利便性があります。初心者ドライバーの方でも運転がしやすく、一定方向で巡回しながら半階ずつ昇り降りするので、空きスペースも見つけやすくなります。動線もシンプルで安全です。

[用途例]

フラットタイプ同様、商業施設や集合住宅で採用されています。床が水勾配程度しかないため、ショッピングカートや車椅子、ベビーカーなどを利用する施設に最適な点も同じです。

 

●連続傾床タイプ

緩やかの勾配の床全体をらせん状にし、自動車の昇降用スロープを兼ねる形で設計された自立式立体駐車場です。360度一周することで階を昇り降りできます。スロープに駐車スペースが面しているため、他のタイプに比べて多くの駐車台数を確保可能。10~30%収容効率が高まります。

急勾配や急カーブはなく、動線もシンプルに設計できるため、利便性・安全性にも優れています。運転もしやすく、昇降中にも空き車室を探しやすいという点もメリットです

[用途例]

連続傾床タイプは駐車効率が高いことに加え、コストパフォーマンスにも優れているのが特徴です。そのため、集合住宅はもちろん、商業施設や有料駐車場など幅広い用途に使われています。

付加価値のある立体駐車場とは?

ここまでは自走式立体駐車場の種類について深掘りしてきました。しかし、実際の駐車場にはそれぞれに個性があり、付加価値を付けることでお客様から選ばれるためのビジネス戦略を展開しています。

快適性や視認性はもちろん、太陽光発電の導入や壁面緑化で省エネ・熱環境緩和効果といったスペースの有効活用も取り入れられることが多くなってきています。なかには広告媒体として機能し収益を上げているものもあります。

また、大型の駐車場は都市機能の一部としても捉えられることが多いため、敷地内にコミュニティスペースを設置したり、カフェ等の店舗を併設したりといった例も少なくありません。こうした自由なプランニングで付加価値を高めることが、今後の駐車場には求められます。

まとめ

自立式立体駐車場を設計する際には、敷地の形状や利用者、求められる機能などを踏まえて適切な種類を選択する必要があります。合わせて、どのような付加価値を付けるべきかについても検討しましょう。大和リースであれば、それぞれのお客様に適切なご提案を差し上げます。自立式立体駐車場の建設をご検討中のお客様は、ぜひ当社までご相談ください。




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