今回は、公園内に立体駐車場がある意味や環境への配慮、災害時の活用方法について解説していきます。
■立体駐車場とは
・自走式立体駐車場と機械式立体駐車場
・平面駐車場にない魅力
■公園に立体駐車場を設置する理由
・駐車台数が確保できる
・利用者へ新しい魅力を提供
・環境への配慮
・コミュニティの形成
・災害時の活用
■環境に配慮した公園の立体駐車場とは
・屋上や壁面の緑化
・駐車した車の車内温度の上昇を抑える
■災害対策に役立つ!公園の立体駐車場が災害時に強い理由
・津波や地震に強い
・食糧庫や電源供給が可能
・バリアフリー対応
■まとめ
立体駐車場とは
立体駐車場は、限られた土地面積の中でも効率的に車を収容できる施設です。立体駐車場には機械式と自走式の2種類があるため、ここでは、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
・自走式立体駐車場と機械式立体駐車場
立体駐車場には、大きく分けると自走式と機械式があります。自走式は運転手自ら車を運転し、駐車スペースまで移動して駐車するタイプです。一方で、機械式は機械装置の位置まで車を移動させて装置を作動させて車を停めます。
・平面駐車場にない魅力
平面駐車場にはない魅力として、同じ土地面積でも、より多くの車を停められる点があげられます。
多く車を停めていても耐震性に優れているため、避難場所としても活用可能です。
また、最上階を除いて屋根があるため、天気に左右されずに利用可能です。屋根がある階層では、夏場の直射日光によって車内温度が高くなる点や、雨や雪の日に濡れるといった点を心配する必要がありません。
公園に立体駐車場を設置する理由
一見して関係ないように思える公園に、立体駐車場を設置する理由を見ていきましょう。
・駐車台数が確保できる
立体駐車場の設置によって多くの車を駐車できます。そのため、来園客が増えてもキャパシティオーバーになりにくいといえます。
駐車台数が増えることで、駐車場として利用する土地面積を減らすことも可能です。空いた土地を市民農園やスケートボード場などに活用できるため、来園客用のスペース確保にも役立ちます。
・利用者へ新しい魅力を提供
立体駐車場は高さのある建物です。そのため、屋上を活用すれば新しいビューポイントの設置ができます。例えば、海辺が近い場所であれば、美しい水面を眺められるスポットや花火が良く見える場所として活用可能です。立地を活かしたスポット作りを行うことで、来園者はこれまで以上に公園への魅力を感じられるでしょう。
・環境への配慮
立体駐車場の屋上や壁面を緑化すれば、環境配慮の姿勢もアピールしつつ、社会貢献も可能です。ヒートアイランド現象の緩和に繋がるでしょう。
・コミュニティの形成
立体駐車場の屋上は、ガーデンにすることも可能です。木や花を集めることで地域の憩いの場として活用できるだけでなく、コミュニティの形成に役立ちます。
・災害時の活用
立体駐車場は、地震と津波に対して耐性があります。地震に関しては、駐車場を構成する部材が鉄骨である点などから揺れに強く、過去の大きな地震でも耐えた実例が多数あります。
また、地震による津波が発生した場合には、高さのある建物に避難しなければなりません。そのため、立体駐車場の高層階が津波の回避に役立ちます。
普段は、駐車場として利用されるため、地域の方への認知度が高まり、避難場所としての周知も広まります。
環境に配慮した公園の立体駐車場とは
ここでは、立体駐車場が環境に配慮する意味について詳しく見ていきましょう。とくに緑化や屋根のある駐車スペースは利用者のメリットに繋がります。
・屋上や壁面の緑化
屋上や壁面を緑化すると、ヒートアイランド現象の緩和が期待できます。ヒートアイランド現象とは、日中の熱がアスファルトなどに溜め込まれ、夜間に空気中に放出される現象です。しかし、緑化を行うことでアスファルトは熱を溜め込みにくくなり、空気中に放出される熱も抑えることが可能です。
また、都市や地域の景観形成にも役立ちます。無機質に感じられる建物とは違い、緑化された建物の場合は、植物の温かみやうるおいを感じられるでしょう。
・駐車した車の車内温度の上昇を抑える
立体駐車場は屋上以外であれば、車の車内温度の上昇を抑えられます。最上階以外には屋根があるため、直射日光も避けられるためです。
さらに緑化と組み合わせると建物自体に熱を取り込まないため、車内の温度も更に抑えられます。公園を楽しんだ利用者が帰宅する際にも快適になるため、施設利用の満足度が向上する効果が期待できます。
災害対策に役立つ!公園の立体駐車場が災害時に強い理由
・津波や地震に強い
立体駐車場の中でも、以下の点から自走式立体駐車場は津波や災害に強いといえます。
- シンプルで部材そのものが頑丈であるため、地震が起きても倒壊しにくい
- 外壁がないため開放性が高く、津波が来ても波による衝撃を逃がせる
建物自体が地震や津波に強ければ、避難場所としても活用可能です。立体駐車場は高さがあるため、津波が来ても上の階へと避難することで被害を最小限に抑えることができるでしょう。
・食糧庫や電源供給が可能
備蓄倉庫を設置した場合、被災者への支援として食料や毛布などを供給したり、支援物資の発着拠点や車室での仕分けも出来ます。
ソーラーパネルを設置した場合には、照明用のエネルギーとなるだけでなく、災害時の電源供給や救護施設用の電源としても役立てられるでしょう。
・バリアフリー対応
自走式立体駐車場はスロープで繋がっているため、車椅子の人も避難しやすいバリアフリー設計の建物です。駐車スペースにも段差のない広い空間があるため、車いすの方を含め、多くの方が一度に上層階へ移動しやすく、避難通路に適しています。
まとめ