業務効率化と防災、2つの課題に対応
2023年4月、大阪府堺市のベイエリアに、トヨタ南海グループの新たな本社 事務本館が竣工。グループ各社の本社オフィスと立体駐車場の機能を複合した新施設は、災害時のBCP(事業継続計画)対策と業務の効率化をめざして整備。堺市の津波避難ビル認定も取得し、地域の防災と安心にも貢献しています。
オフィスと立体駐車場の複合施設、津波避難ビルとして地域防災に貢献
トヨタの関西地区中核ディーラーとして80を超える販売店を展開するトヨタ南海グループ(トヨタカローラ南海株式会社・ネッツトヨタ南海株式会社・DUO南海株式会社)は、エリア内のオフィスや駐車場の集約による業務効率の向上、災害時のBCP(事業継続計画)対策をはかるため、新本社と駐車場の一体整備を計画。当社は、国土交通大臣個別認定型の自走式立体駐車場をベースに、オフィス機能を複合した施設の設計・施工にワンストップで対応しました。
建設地は警報発表時に直ちに避難が必要な「津波避難対象地域」に位置していることから、オフィスは2階に配置。1階は階高5メートルを確保し、津波が通り抜ける設計にしました。また、災害時の電源確保や早期復旧に対応するため、受変電施設を2階に設置。BCP対策に配慮しました。
広いスロープは、バリアフリーの避難通路として、災害発生時に近隣住民も利用可能に。地震や津波に強い構造とあいまって、新社屋は堺市の津波避難ビル認定を取得しました。
外観デザインは、トヨタ南海グループの前身が紡績業であった歴史をふまえて、糸を市松模様に編みこんだイメージを外壁のルーバーで表現。モダンかつスタイリッシュな印象を与えると共に、換気や採光などの機能性も両立しています。
オフィスと立体駐車場建築、2つの事業ノウハウを複合し、当社は業務効率化と防災、2つの課題解決に貢献します。
提案のカギ 2つのノウハウを活かしトータル対応
オフィス建築
- 2階に本社事務所や受変電設備を配置
- フロントオフィスとバックオフィスを集約
- ワンフロアでコミュニケーションを活性化
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立体駐車場
- 津波を考慮し、1階は階高5メートルを確保
- 駐車効率の良い連続傾床方式
- 災害発生時は近隣住民も利用可能な津波避難ビルに
デザインビルド方式で防災機能を備えた新拠点を整備
生産性向上につながる機能性とデザイン性を両立
エントランス
トヨタ南海グループのシンボルサインが設置されたエントランス。2階には顔認証システムを導入。
オフィス
本社オフィスは見通しの良いワンフロア。部門間のコミュニケーション活性化につながります。
市松模様の壁面デザイン
アルミのルーバーで市松模様をデザイン。海が近いため、塩害・防錆対策にも配慮。
立体駐車場
駐車効率の良い連続傾床方式により263台の駐車スペースを確保。1階は階高5メートルを確保し、津波が通り抜ける構造です。
[DATA]
所在地 | 堺市西区 |
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構造 | 国土交通大臣個別認定型 5層6段 連続傾床式 |
敷地面積 | 約2,927㎡ |
延床面積 | 約7,134㎡ |
駐車台数 | 263台 |