屋上緑化は普及している?効果や自治体の活動について解説

2021.02.12

屋上緑化というワードを耳にするものの、どれくらい普及しているのか疑問を持つ方も多いでしょう。本記事では、屋上緑化の普及について解説していきます。また、融資や助成金などのサポートを受けることで、屋上緑化に取り組みやすくなる点にもふれていきます。

■屋上緑化について

屋上緑化
屋上緑化の目的や効果についてみていきましょう。効果や目的を知ることで導入する意味を明確に把握できます。

・屋上緑化とは

屋上を利用し、緑地を増やす取り組みを屋上緑化と呼びます。緑地を増やしたいと考えていても、都市部では土地がなく難しいのが現状です。そのため、ビル・マンション・住宅の屋上やベランダなどのスペースを有効活用して屋上緑化が始まりました。
屋上に防水を施したり、軽量土壌をのせて芝生などを育成したりすることで、緑地を増やすことが可能です。土地価格が高く、新たに緑地を設けられない都市部では、特に普及が推し進められるようになっています。

・屋上緑化の環境面への影響

ヒートアイランド現象や地球温暖化対策として、緑地を増やす活動は重要です。たとえば気温36.5度の日は、屋上がタイル素材であれば51.7度まで上昇してしまうという国土交通省の調査結果があります。しかし、屋上緑化を行い、芝生にした場合には日中の温度は32.5度まで抑えられたことがわかりました。

屋上緑化で抑えられるのは屋上の気温だけではありません。屋上緑化を行った建物内の温度も抑えられるため、エアコンなどの消費エネルギーを削減できる効果もみられ、多くの企業で取り入れられるようになっています。

■屋上緑化は普及しているのか

屋上緑化

効果が明確であるものの、屋上緑化の普及はどの程度進んでいるでしょうか。屋上緑化の普及率や普及例をみていきましょう。

・屋上緑化面積の推移

国土交通省の調べでは、屋上緑化は徐々に普及しています。屋上緑化面積1,000㎡以上の物件数は平成19年の約80件をピークに、平成24年には約30件までに減少したものの、以降は増加傾向です。平成28年には、約50件まで増加しています。平成25年には、全体的な施工面積も増加傾向であることから、工事件数がゆるやかに減少している中で屋上緑化に取り組む企業が増加しているといえます。

また、屋上緑化の施工数は工事件数に左右されるものの、着工された建物に対して緑化に取り組む割合が多いため、今後屋上緑化に取り組む企業が増加すると予想できるでしょう。令和元年には、工事件数が減少しているにも関わらず、屋上緑化施工数は増加しています。

グラフ:屋上緑化面積1000平方メートル以上の物件数引用元:国土交通省 報道発表資料
(URL:https://www.mlit.go.jp/common/001198814.pdf)

 

・屋上緑化が創出されている普及例

屋上緑化が普及している建物はさまざまです。たとえば、豊島区役所では屋上緑化を含めた「豊島の森 グリーンテラス」で環境都市づくりを目指しています。

名城大学ナゴヤドーム前キャンパスでは、「名城の丘」と名付けた屋上緑化空間でキャンパスを結びました。学生だけでなく、地域住民の憩いの場としても活用可能です。

上記以外にも、ショッピングモールやマンションなど、身近な施設にも屋上緑化が施されています。さまざまな施設で、屋上緑化の普及は進んでいるといえるでしょう。



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■屋上緑化普及を促進する自治体の活動

屋上緑化
屋上緑化をしたいと考えていても、きっかけがない・費用が発生するなど悩む人も多いといえます。しかし、屋上緑化を促進するための普及活動がそれぞれの自治体で行われています。ここでは、屋上緑化普及を促進する自治体の活動についてみていきましょう。

・屋上緑化の義務付け

自治体によって細かな条件は違うものの、「大きな施設を新築・増築した場合は、一定基準の緑化を義務付ける」と定められています。定められている施設は敷地面積が原則1,000㎡以上の建物です。「緑化計画提出書」などを作成し、それぞれの自治体に提出する必要があります。

・建築物の容積率の緩和・割増

建物の容積率とは、「建物の敷地面積に対する延べ面積」です。容積率は土地ごとに定められているものの、屋上緑化をすると緩和・割増できる場合があります。容積率の緩和や割増があれば、土地を最大限利用できる施設を建設できるでしょう。

・融資や助成金などのサポート

屋上緑化をする場合は費用がかかるものの、融資や助成金などのサポートが用意されています。なお、屋上緑化による融資や助成金の額・条件などは違うため、自治体に問い合わせてみましょう。

助成金では、屋上だけでなくベランダの緑化1㎡であっても助成金が出るケースもあります。一般家庭の屋上緑化であっても助成金を受け取れるため、多くの人が利用しやすい制度です。

■屋上緑化の普及で得られる効果

屋上緑化

屋上緑化が普及すると、ヒートアイランド現象や地球温暖化対策になります。しかし、屋上緑化の普及で得られる効果は他にもあります。本項目では、更に屋上緑化のさまざまな効果を知っていきましょう。

・人々の憩いの場となる

緑化された屋上は、人々の憩いの場となります。たとえば、芝生を引く、ベンチを設置する、といったことをすることで景観も美しく保てるでしょう。日常的に緑と触れ合える場に人々が集まり、心安らげる場とすることができます。

・自然学習の場となる

緑が増えると鳥・昆虫などを呼び戻せ、自然性の回復に繋がります。植物や生き物など自然と触れ合えるため、自然学習の場としても有効です。

■まとめ

屋上緑化

屋上緑化はヒートアイランド現象や地球温暖化対策において効果があります。普及は進んでいるものの、費用がかかるなどのデメリットは無視できません。自治体ごとに融資・助成金を受けられるケースがあるため、屋上緑化を計画している場合は検討してみましょう。



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