HACCPの必要性について

改正食品衛生法によって2020年6月に義務化が決定したHACCP。しかし、なぜHACCPを導入すべきなのか、その必要性について理解しきれていないという方も少なくありません。そこでこちらでは、【安全性確保】【事業強化】【義務化】という3つの視点から、HACCPの必要性について解説します。

【安全性確保】食品事故リスクの低減

HACCP導入は食の安全性向上に役立ちます。とくに1990年代頃から多発していたO-157やサルモネラ菌などが原因の食中毒は、食品事業者にとって大きなリスクとなっていました。実際に1996年に起こったO-157による食中毒事故では、9,000人以上の感染者を出しています。

また1995年に施行されたPL法がきっかけで、消費者が製造者に対し製造責任を追究しやすくなった、という背景もあります。現在は、食品事業者が食の安全性についてより誠実に対応しなくてはならない時代といえるでしょう。

衛生管理レベル向上と意識変化

従来の衛生管理方法では、製品製造の最終工程で抜き取り検査などを行い、安全性を確認していました。一方HACCPでは、食品製造・出荷に関わる全行程で危害要因を予測・分析し、被害発生を防ぎます。
万が一事故が発生したとしても、どの段階で異物混入などが起こったのかが記録されているため、適切な対処が可能になり安全性を大幅に向上できるのが特徴です。

またHACCPの土台となるのは手洗いや清掃、消毒などの一般衛生管理です。現在でも当たり前に行われていることではありますが、HACCP導入時にこれらを見直すことで、基本部分での衛生管理レベルが向上するでしょう。加えて、従業員の衛生意識向上にもつながります。

【事業強化】イメージ向上・コスト削減

HACCP導入は一見、安全性確保という“守り”の施策に思われがちです。しかし、食品事業者にとって安全性が確保され、それが認定されていることは大きな武器にもなりえます。さらにHACCPの場合、システム導入による副次的なメリットも得られるのが特徴です。

安全な食品を製造する企業としてのアピール

日本政策金融公庫が発行する「平成 26 年下半期食品産業動向調査」のなかには「契約時にHACCP導入を参考にするか?」といった旨のアンケートが実施されています。その結果によれば実に65.4%の企業が、食品の仕入れにおいてHACCP導入を検討材料や条件にしていることが分かりました。このように、すでにHACCPは多くの企業にとって安全性を担保するポイントになりつつあります。

またHACCP導入を提示することは対企業だけでなく、対消費者に対しても有効です。食品事業者にとって信頼性は非常に大切な要素のひとつになります。政府が推奨するシステムを採用しているかどうかは、今後大きな信頼性の判断材料になるでしょう。

業務効率化による品質・生産性アップ

HACCP導入の際には、現在の製造工程を一度見直す必要があります。この際、ムダな手順などを発見できれば生産性向上につながるでしょう。また、業務改善によって品質が向上すれば、顧客からのクレーム対応も低減できます。

このように、HACCP導入は衛生管理レベル向上だけでなく、人件費などを含むトータルコストの削減にもつながる施策です。結果として、事業の成長や拡大にも結びつくでしょう。

【義務化】2021年6月までに対応

2018年6月に衆議院で可決された改正食品衛生法。このなかには食品を取り扱う全事業者に対し、HACCPを義務化する内容が記載されています。2020年6月には法案が施行され、1年間の経過措置期間を経て2021年6月には義務化が開始する予定です。

世界で広がるHACCP

日本におけるHACCP義務化の流れは、世界的に見ると決して早いものではありません。たとえばHACCP発祥の地であるアメリカの場合、取り組みは1997年から開始されていました。そして2002年には一部の食品に対してHACCPによる衛生管理義務が定められています。2011年には、アメリカ内で消費されるすべての製造・加工・梱包・保管施設に、HACCPの考え方を取り入れた措置の計画と実行が義務づけられました。その他、カナダやオーストラリア、韓国、台湾、ロシアなど、HACCPの制度義務化を実施している国は少なくありません。

これらの背景を踏まえると、今後国内企業が該当の国へ食品を輸出する際、生産体制としてHACCPを導入しているかが条件に盛り込まれる可能性も十分に考えられます。一方、早めに対応をしておけば、海外に向けた新しい販路開拓につながるケースもあるでしょう。つまり、国内におけるHACCP義務化はチャンスであるともいえるのです。

間もなく施行開始! 工場建築時には対応が必須

すでにお伝えしたとおり、HACCPの義務化は目前ともいえる状況です。2021年6月までには必ず対応しなくてはなりません。これから食品工場を建築する場合には、設計段階からHACCPに対応できる施設づくりを目指すべきでしょう。

大和リースでは、HACCP対応の食品工場建築のプロジェクトマネジメントを承ります。関連の認証取得なども、豊富な知識とノウハウでしっかり対応。ヒアリング・計画から建設・稼働まで一貫してお引き受けいたしますので、ぜひご相談ください。

まとめ

HACCP対応の必要性は、改正食品衛生法案における義務化が大きな要素です。一方で、食品事業者としてHACCP導入を実施するのは、製品の安全性確保という“守り”と、事業強化という“攻め”を推進することでもあるでしょう。消費者に安心・安全な商品を届け、かつ自社をより発展させるためにも、HACCP導入をご検討ください。





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