職場環境づくり
目次
- ダイバーシティ&インクルージョンの推進
- 「思いやりハンドブック(視覚障害者・聴覚障害者編)」の制作および全従業員への配付
- フレキシブル勤怠管理の導入(働く場所と時間を選択でき、柔軟な働き方の実現)
- 新たな職場「屋内型農園」の創設 D’s スマイルファームのメンバーがワークショップを開催
- 「Engagement Survey 2022(旧Sustainability Survey)」の実施
- 働きがいのある職場環境づくり (イクボスの活用)
- 「男性の育児休業3カ月取得」で奨励金100万円支給
- 育児休業を支える同僚従業員への賞与新設(女性の社会進出・活躍支援と男性の育児休業取得促進)
- 「推しボスアワード2022」受賞
- 「仕事と介護の両立オンラインセミナー」開催
働きやすい職場づくり
多様な人財が活躍できるための職場環境整備として、「イクボス」上司の育成にも積極的に取り組んでいます。
ダイバーシティ&インクルージョンの推進
当社のダイバーシティ活動は、2007年のプロジェクト発足からはじまりました。その後、企業競争力強化に向けた人財活用の観点から、2013年4月に「ダイバーシティ推進室」、2018年4月に「インクルージョン推進室」に名称変更を行い、その都度、組織の再編を行ってきました。
当社は、若者・女性・高齢者・障害者など、すべての従業員が意欲と能力に応じて働ける環境を整え、持続的な成長を続けるための活動を継続していきます。
活動にあたっては、「ダイバーシティ経営者宣言」に則って、次の内容を実行しています。
ダイバーシティ経営者宣言
- 1.【推進体制の確立】
この取り組みが、全社をあげたものとなるよう、役員、経営者層に対する認知を広め、「ダイバーシティ経営」の体制整備を行います。 -
2.【働き方改革の実行】
全従業員がわが社で働くことを誇りに思える職場環境づくりと働き方改革を実行します。 -
3.【従業員の行動・意識改革】
「事業を通じて人を育てる」という企業理念のもと、従業員一人ひとりが「自分の将来像(なりたい自分)」を描き、目標に向かって、自発的に行動できるように育成・支援します。 -
4.【情報の開示】
わが社のあらゆるステークホルダーに対し、ダイバーシティの方針・取り組みを積極的に発信します。
今後も共に働く仲間を認め合い、一体感を高めながら、従業員にとって働きがいのある会社づくりを目指していきます。
働き方改革の取り組み(一例)
■リモート・テレプラス
基幹店とリモート店をテレビ会議システムでつなぎ、テレビの画面越しにあたかも上司がその場にいるようなバーチャルな職場環境を創り出しています。
基幹店とリモート店の行き来を極力なくし、仕事の生産性や効率性を高めています。
■DLあかつき小町
女性に限らず建設現場で働くすべての人が働きやすく、かつ、やりがいをもって活躍できる職場環境を整備するために、女性工事職員を中心に結成されたチームです。
誰もが働きやすい環境を目指して、女性ならではの発想力を活かして、さまざまな施策を創り出しています。
「思いやりハンドブック(視覚障害者・聴覚障害者編)」の制作および全従業員への配付
当社では「お互いの状況を理解しながら、一緒に働くこと」に着目し、視覚および聴覚に障害のある方のリアルな声をもとに、2021年10月に、「思いやりハンドブック(冊子)」を制作しました。
共に働く仲間のなかには、さまざまな事情を抱えながら仕事をしている人がいますので、今回は“障害”について「知る・気づく・考える・理解する」を目的とした教育ツールとして冊子を全従業員に配付しています。
2018年から実施した、女性活躍推進のための研修「マインドチェンジ研修」のグループ活動の中で、「視覚障害者と聴覚障害者が職場において、何に困り、どのようなサポートを必要としているのか」を周囲の従業員に分かりやすく伝えるために、障害のある当事者とグループメンバーとが何度も対話を重ねて、当社のオリジナル冊子を制作しました。マインドチェンジ研修から生まれた成果物を全社の教育ツールとして展開したものです。
「思いやりハンドブック」の構成は次の内容になります。
① 視覚障害・聴覚障害の基本知識
② 基本マナー
③ 配慮
④ 便利ツールのご紹介
⑤ お役立ち情報サイト
今後も、お互いに“思いやり”をもって、誰もがいきいきと働き続けられる職場づくりに取り組んでいきます。
フレキシブル勤怠管理の導入(働く場所と時間を選択でき、柔軟な働き方の実現)
当社は、仕事に適した場所をフレキシブルに移動(モバイル)することで、生産性の向上と働きやすさを実現させるモバイルワークを推進しています。
ライフスタイルや仕事の進捗に合わせて所定労働時間を柔軟に調整することができる「フレキシブル勤怠管理(※)」を、2022年2月から工事部門の従業員を対象に先行して導入し、その後、2022年4月から全職種の従業員に導入しました。
この「フレキシブル勤怠管理」の導入により、「場所」のみならず「時間」についてもライフスタイルや仕事の進捗に応じて選択できる就業環境を整えています。
今後も、多様な人財が活躍できる人事制度を構築し、持続可能な社会を目指していきます。
※フレキシブル勤怠管理:従業員ひとり一人のライフスタイルにあわせて、勤務の開始時間と終了時間をフレキシブルに変更できる仕組み。
新たな職場「屋内型農園」の創設
D’s スマイルファームのメンバーがワークショップを開催
D’s スマイルファームのメンバーがワークショップを開催
当社は2021年3月1日に、株式会社スタートラインさまが運営する屋内農園型障害者雇用支援サービス「IBUKI“いぶき”(※1)」を活用し、障害者の活躍の場を新設しました。
職場の愛称を「D’s スマイルファーム」と名付け、4名の従業員が勤務しています。D’s
スマイルファームではハーブ類を栽培し、ハーブティー等への加工を行ったうえで、営業ツールとして活用しています。
2024年3月22日から3日間、京都里山SDGsラボことすにおいて「アップサイクルでSDGsフェス」が開催され、当社のD’sスマイルファーム(※2)のメンバーが講師になって、「要らなくなったネクタイからサシェをつくる」ワークショップを実施しました。
サシェとは布などの生地の中に乾燥させて葉や香料などを入れたフレグランスアイテム=ポプリのことで、収穫時にハーブティーにできない茶葉を集めてサシェを作っていますので、環境×福祉のワークショップを継続して、共創共生の社会づくりを目指していきます。
障害者の置かれた環境や障害の度合いはさまざまで、一人ひとりの中に多様性が秘められていますので、その多様性に光を当て、全ての従業員がいきいきと活躍できる職場環境を整備していきます。
※1 IBUKI(いぶき):天候の影響を受けにくい屋内型農園を活用した、新しい障害者雇用の仕組みをワンストップで提供するサービス。
※2 D’s
スマイルファーム:屋内農園型障害者施設「IBUKI」の中に大和リースの一員として、2021年3月1日に誕生しました。障害者3名と管理人1名がハーブを栽培しています。
「Engagement Survey 2022(旧Sustainability Survey)」の実施
大和ハウスグループでは、2004年から毎年1回、全役職員を対象に意識調査を実施してます。
Engagement Survey
2022は、「持続可能な経営を目指すためには、従業員一人ひとりが働きがいをもち、エンドレスハートの価値を高めるための考動が不可欠である」との考えのもと、大和ハウスグループで定めている企業倫理綱領・行動規範の考えがどの程度共有され、適切に行動・判断しているかを確認するものです。
"将来の夢"を実現するため原動力となる従業員エンゲージメントに着目し、その現在地を見える化することで、「EngagementSurvey」の結果から課題や問題点を顕在化します。
この結果から、「自分たちの職場の課題やリスク」を認識し、リスク撲滅に向けた職場の自発的な改善活動と従業員の働きがい向上に役立てています。
全国の事業所では調査結果を踏まえて、毎年「職場の意識改善計画、最重点改善項目」を作成し、職場環境の改善に取り組んでいます。
働きがいのある職場環境づくり (イクボスの活用)
当社は、部下のキャリア(ワーク)と人生(ライフ)を応援し、自らもワークとライフを楽しむ、そして組織の業績を上げる“管理職(上司)”を「イクボス」と位置づけ、働きがいのある職場環境づくりの要として育成を図っています。
具体的には、女性活躍推進法に基づく行動計画の一つである「管理職の意識改革推進」の一環として、2015年に事業所長を対象に「イクボスセミナー」を開催し、その後、対
象者を各部門責任者にまで広げました。
イクボスセミナーでは、育児や介護で制約を抱える従業員が増加していく状況下での「働き方」の見直しについて考え、部下に対するマネジメントの基本と留意点を理解する内容です。2019年からは、セミナーの内容を、部下との面談技法や指導方法を実技を通じて学ぶ「ナラティヴ・アプローチ研修」に刷新し、継続してイクボスの育成につとめています。
また他薦による「イクボス認定制度」を設け、管理職のマ ネジメント意識の向上を図っています。推薦項目は次の3 項目になります。
①部下のキャリアと私生活を応援している上司
②自らワーク・ライフ・バランスを実践している上司
③働き方改革を積極的に推進している上司
さらに、2017年に作成した「イクボス10カ条」を、近年の社会情勢や当社の働き方を考慮して、2024年に改定しました。
新イクボス10カ条
- ①理解 : 部下の事情に理解を示していますか。
- ②ダイバーシティ: 多様性を理解した上で組織運営をしていますか。
- ③知識 : 社内制度や法律を知っていますか。
- ④支援 : 仕事のやり方や体制を見直す活動を支援していますか。
- ⑤業務 : 時間的制約を補い合える業務体制にしていますか。
- ⑥モバイルワーク: ICTを駆使した遠隔業務の展開を推進していますか。
- ⑦時間捻出 : 会議や書類などの目的を明確にし、時間を削減していますか。
- ⑧育成 : 部下との1対1を大切にし、丁寧な指導と声がけをしていますか。
- ⑨有言実行 : イクボスのいる組織は業績向上につながることを示していますか。
- ⑩隗より始めよ : 自ら人生を楽しんでいますか。
なお、当社では、毎月19日を「イクボスの日」に設定し、全国の事業所で働きがいのある職場環境づくりを推進しています。
「男性の育児休業3カ月取得」で奨励金100万円支給
当社は育児・介護休業法の改正に伴い、2015年度に導入した「エンジェル奨励金」制度(子どもが誕生した職員に一時金を支給する制度)の支給基準を見直し、2023年4月から男性の育児休業取得日数に応じて、最大100万円の奨励金を支給する制度を開始しました。
"ワーク"と"ライフ"の相乗効果が日々の仕事における生産性・創造性のアップにもつながること、さらに、男性が育児休業を取得し育児家事を夫婦で行うことは、女性の社会進出と活躍の支援につながります。
「エンジェル奨励金」の申請には、家庭内での家事・育児分担を見える化した「家事・育児シェアシート」(独自書式)の提出を必須としています。
男性育児休業取得の推進を通して、従業員の「仕事」と「育児」の両立支援を進めていきます。
【男性職員、または女性職員の配偶者(他社勤務者も可)が取得した育児休業合計日数に応じて支給額を決定】
取得日数 | 第1子 | 第2子 | 第3子以降 |
---|---|---|---|
30日未満 | 30万円 | 50万円 | 100万円 |
30日以上90日未満(1ヶ月以上) | 50万円 | 70万円 | |
90日以上(3ヶ月以上) | 100万円 | 100万円 |
【男性職員の育児休業取得状況】
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|
70.9% | 90.9% | 87.3% |
育児休業を支える同僚従業員への賞与新設(女性の社会進出・活躍支援と男性の育児休業取得促進)
当社は、育児休業を取得した職員の仕事を引継ぎした従業員(契約社員などを含む)へ賞与を再分配する仕組み「サンキューぺイ制度」を2023年の年末賞与から導入しました。
この制度の目的は、従業員の「仕事」と「育児・家事」の両立支援のため、男性の育児休業取得を推進しています。男性育休の長期取得を促進し(育児家事を夫婦で行う)、女性活躍(社会進出)を推進することで、多様な人財の活躍と業績の拡大を図ることです。
当社は2023年4月から、子どもが生まれた職員に支給する一時金「エンジェル奨励金」の支給基準の見直しを行い、育児休業取得日数に応じて支給額を最大100万円に増額するなど、男性育休の中長期取得を推奨しています。
一方で、育休取得者が担当していた業務については、一定期間同僚が引継ぐことで実務を支えている実態があることから、育休中に職場を支えている従業員に報いる施策として本制度を新設しました。
育休職員から同僚への「感謝(Thank you)の気持ち」と同僚から育休職員への「産休(さんきゅう)応援」の意味を込めたネーミングとして「サンキューペイ制度」としています。
本来であれば育休職員へ支払う予定であった賞与原資を同僚やチームへ再分配する仕組みとすることで、育休職員は同僚への気兼ねが和らぎ(育休の取得し易さ)、代わりに職場を支える従業員にも相応の手当が支給されることとなり、職場全体の納得感と一体感を高める効果を期待しています。
「推しボスアワード2022」受賞
2022年10月に、NPO法人ファザーリング・ジャパン主催「推しボスアワード2022」のプレゼンイベントが開催され、当社職員3名がプレゼンを行った結果、「プライベートも仕事も充実させちゃう最強の上司で賞」を受賞しました。
厚生労働省の委託事業「イクメンプロジェクト」による「イクボスアワード」は2022年3月をもって終了となり、その後本アワードに代えて、「イクボス」提唱者 安藤 哲也 氏を代表理事とするNPO法人ファザーリング・ジャパン主催による「推しボスアワード」が新設されました。
各企業において職場の部下から「推しボス(※)」を推薦し、書類と動画による一次審査を通過した「推しボス」候補と推薦者が、「推しボス」プレゼンイベントにおいてプレゼンを行い、その後、審査員と学生審査員(教授や教師を介した協力大学・ゼミ生・高校生など)が、プレゼン内容を会場・オンライン・アーカイブ視聴のうえ投票を行い、「推しボス」アワードとして発表されるものです。
「推しボス」では部下・後輩目線でボスを推すため、求められるボス像が「見える化」されます。
※「推しボス」における「推し」とは:職場という日常生活の中に存在する人物に対して使うことを想定しており、目的達成のため人を惹きつける、人を勇気づける、人が自発的に動く「強み」や「魅力」または、ボスの良さを「みんなに伝えたい気持ち・言動」を指しています。
「仕事と介護の両立オンラインセミナー」開催
当社は、「誰もが活躍できる会社を自分たちでつくる」といった取り組みの一環として、「仕事と介護の両立セミナー」を開催しています。
このセミナーは、「仕事と介護の両立は当事者個人のみならず、会社全体の問題である」と捉え、対象者を全役職員としています。
介護の現状について正しい知識を習得することで、介護についての漠然とした不安を払拭し、「仕事と介護の両立」する働き方を考える機会とします。
また、介護に関わる当事者への理解を促進するとともに、介護知識の習得を早い段階から準備(介護予防)することで、組織全体のパフォーマンスの低下を防ぐことを目指しています。
実際のセミナーは、講師に株式会社ベネッセシニアサポートさまをお招きし、「仕事と介護の両立オンラインセミナー- 親や祖父母が元気なうちから知っておくべき介護のこと-」というタイトルで、「高齢者介護を取り巻く環境、働きながら介護が始まることの影響」などの講義を受講しました。
今後も、介護支援制度を充実させ、誰もが活躍できる会社づくりに取り組んでいきます。