再生可能エネルギー事業の取り組み・
脱炭素社会の実現に向けた取り組み
目次
- 再生可能エネルギー事業の取り組み
- 脱炭素社会の実現に向けた取り組み
- 脱炭素社会の実現に向けたクリーンエネルギー自動車の導入
- RE100達成再生可能エネルギー電力への切り替え徹底と需要家としての非化石証書購入を開始
- 太陽光発電システム搭載の立体駐車場の整備
- 建設施工現場での脱炭素社会への取り組み
- モーダルシフトへの取り組み
- 脱炭素社会に貢献する「環境配慮型 自走式立体駐車場」の開発
- 建物建材の86%を再利用する取り組み「閉店店舗の屋根・壁・柱・梁などを再利用し、CO2排出量を56%削減」
- 「エコ・ファースト企業」に認定
- 大和ハウスグループ「Daiwa Plastics Smart Project」
- ファシリティ パッケージ リースの推進
再生可能エネルギー事業の取り組み
当社は、2012年7月の再生可能エネルギー固定買取制度(FIT)の施行に伴い、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギー事業に取り組んできました。
再生可能エネルギーに関する事業スキームは、発電システムの請負工事・リースに加え、官民の遊休地の借地および自社施設を利用して自らが売電事業者となる事業方式があります。
当社は2023年4月に、豊橋市市有施設への再生可能エネルギー等導入事業のうち、2件の公募型プロポーザルにおいて豊橋市と協定を締結しました。使用電力の再エネ化と地産地消を積極的に進め、平常時の温室効果ガス排出を大幅に抑制するとともに、停電時に施設へ電力を供給する災害対応力を備えることで、施設のレジリエンスの向上を図っています。
2024年5月現在、当社が売電事業者として発電事業を行う太陽光発電所は「43カ所96.42MW(メガワット)」が稼働し、順調に発電・売電を行っています。
また、新たに小型風力発電所を建設し、「2カ所386kW」の発電・売電を行っています。
さらに、電力の需要家が発電事業者に敷地や屋根などのスペースを提供した後に、太陽光発電システムを設置
し、発電した電力を需要家に販売するPPA事業にも参入し、2023年4月から「三井アウトレットパーク木更津、横浜市緑区総合庁舎」、2024年4月からは「豊橋総合動植物公園駐車場(カーポート型)」でPPA事業による発電・売電を行っています。
当社は2024年5月現在で、全国において「70施設9,698kW」の契約実績があり、引き続きPPAと自家消費型太陽
光発電(請負)の提案を進めていきます。
今後も、まちづくりのカーボンニュートラルの実現に向
けて、すべての事業において全棟太陽光発電搭載を推進するとともに、風力発電や小水力発電などの再生可能エネルギー事業への参画を視野に入れ、新たなエネルギー事業へも積極的に取り組んでいきます。
脱炭素社会の実現に向けた取り組み
カーボンニュートラル戦略
わが国は2020年10月に2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。
大和ハウスグループは、「2030年までにやれることはすべてやる」を基本姿勢に2050年の温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指すカーボンニュートラル戦略を進め、未来の子どもたちの“生きる”を支える持続可能な社会の実現に貢献します。
大和ハウスグループの目標は2030年に温室効果ガス排出量を40%削減(2015年度比)し、2050年にはカーボンニュートラルを実現することです。その目標達成に向け、バリューチェーンを構成する「事業活動」「まちづくり」「サプライチェーン」の3つの段階すべてにおいてカーボンニュートラルの実現を目指します。
「カーボンニュートラルに向けた取り組み」
- ● “事業活動のカーボンニュートラル”実現に向けて、新築自社施設を原則全棟ZEB 化するとともに、2025年度の RE100達成を目指す。
- ● “まちづくりのカーボンニュートラル ” 実現に向けて、すべての事業において原則、全棟ZEB化、全棟太陽光発電搭載を推進する。
- ● サプライヤーと「カーボンニュートラル」の方針を共有し、環境を起点にサプライチェーンの強靭化を図る。
脱炭素社会の実現に向けたクリーンエネルギー自動車の導入
当社は2023年1月に、脱炭素社会の実現に貢献する取り 組みの一環として、社用車に電気自動車を導入することを 開始しました。
2026年度末には全社用車の30%に相当する313台を、 ガソリン車から電気自動車に入れ替える計画で進めています。
電気自動車313台の導入により、年間約300トンのCO2の削減効果が見込まれ、今後、再生可能エネルギー由来の電力を活用することで、さらなる削減が期待できます。
今後もクリーンエネルギー自動車を順次導入することで脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進していきます。
RE100達成再生可能エネルギー電力への切り替え徹底と需要家としての非化石証書購入を開始
大和ハウスグループは、2018年3月、国際的なNPO法人クライメイトグループが運営する再生可能エネルギーに関する国際イニシアティブ「RE100」に加盟しました。2022年度は、自社運営施設において、再エネメニューへの切り替えを進めるとともに、需要家としての非化石証書の購入を実施しました。2023年度に当社は購入電力の100%再エネ化達成しました。
太陽光発電システム搭載の立体駐車場の整備
当社は、山口県下関市にある「あるかぽーと地区新立体駐車場」の整備に携わり、2023年3月13日に完成しました。
関門海峡などの観光資源を活かした魅力向上をめざす下関市は、観光拠点となる注目エリアでの「駐車場整備の公募型プロポーザル」を実施し、当社が参画する企業グループが事業者に選定されました。
新立体駐車場は搭載した太陽光発電システムで再生可能エネルギーの活用を実現し、さらにEV車用充電器、蓄電池を設置しています。
発電した電力は施設で消費するとともに、昼の余剰分を蓄電し夜間に使用するほか、災害時には電力供給や一時避難場所にも活用できる仕組みになっています。
また、チケットレス車番認証システム「アイスルーPlus(※)」を導入し、スムーズな入出庫を実現しています。
今後も、コインパーキング事業で培った豊富な実績を活かし、太陽光発電システム搭載の立体駐車場に積極的に取り組み、地域社会のインフラ整備に貢献していきます。
※アイスルーPlus:チケットレスでスムーズな入出庫と駐車場管理を実現するシステム。
建設施工現場での脱炭素社会への取り組み
当社は、地球温暖化防止対策として、新築工事、解体工事、改修工事などあらゆる場面で排出しているCO2の削減に取り組んでいます。
建設施工現場で発生するCO2排出量の90%以上が建設機械等で使用する軽油によるもので、お取引先・協力会社を含めて建設車両・建設機械の低燃費運転の教育・指導を行っています。
また、省エネ型・ハイブリッド型の建設機械を積極的に採用することで、2023年度の建設施工現場のCO2排出量は
71.3kg-CO2/百万円で、目標より13.4%削減できました。(2023年度目標82.4kg-CO2/百万円)
今後は、軽油の使用量低減によるCO2排出量の削減に加え、仮設電力の再エネ100%化に取り組んでいきます。
モーダルシフトへの取り組み
活動事例
当社のデポ・工場部門では、製品運搬時のCO2排出量削減を目的に鉄道輸送を活用したモーダルシフトを推進しています。
当社は日常的に、工場生産された製品やリース用建物で使用されるリユース部材を運搬しており、デポ・工場と建設現場との拠点間距離は最大で約1,700kmに及ぶこともあります。
この長距離の拠点間輸送において、500km以上で効果が高いとされているモーダルシフトを活用することで、1コンテナの輸送あたり最大78%のCO2排出量削減が可能になりました。
2024年3月末までに、7つの拠点、6つの輸送ルートでモーダルシフトを活用しています。
また、環境負荷の低減や物流分野の人材不足にも対応することを目的に、長尺物や一度の多量の資材を運搬する際は、船舶への転換も積極的に取り入れます。
今後も、積極的にモーダルシフトを推進し、物流の更なる効率化を図っていきます。
脱炭素社会に貢献する
「環境配慮型 自走式立体駐車場」の開発
「環境配慮型 自走式立体駐車場」の開発
当社は、柱・梁・床の構造材に電炉材を採用することで、従来の立体駐車場建設と比べてCO2排出量を約55%削減する「環境配慮型自走式立体駐車場」を2023年10月から販売を開始しています。
建設事業で発生するCO2排出量の削減は、施設を所有するお客さまにとっても重要な課題となっており、その課題を解決するために、当社は電炉メーカー国内最大手の東京製鐵株式会社さまと「環境配慮型
自走式立体駐車場」を共同開発しました。
この商品は、高炉材に比べ鋼材製造時のCO2排出量を大幅に抑制できる電炉材(※)を使用することで、「脱炭素社会」の実現と、2050年のカーボンニュートラルの達成に貢献しています。
今後も、CO2排出量の削減に貢献できる商品を開発し、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいきます。
※電炉材:鉄スクラップを電気で融解して鉄を製造するので、発電の際に生じるCO2が主な排出となり、鋼材製造時のCO2排出量が抑えられます。
(高炉材:鉄鉱石(酸化鉄)の中から鉄を取り出す際、石炭(コークス)を用いた酸素の除去(還元)が必要となり、その際に大量のCO2を排出します。)
建物建材の86%を再利用する取り組み
「閉店店舗の屋根・壁・柱・梁などを再利用し、CO2排出量を56%削減」
「閉店店舗の屋根・壁・柱・梁などを再利用し、CO2排出量を56%削減」
当社は、株式会社ローソンさまと共同で、閉店したローソン店舗の屋根・壁・柱・梁・サッシなどの建物建材を新店舗に再利用する取り組みを開始しています。
2023年11月には再利用1号店として、岡山県津山市に「ローソン津山高野山西店」をオープンしました。
この取り組みでは、閉店したローソン店舗の躯体・外壁部分(基礎部分を除く)に使用している建材を重量ベースで
86%再利用しています。
また、新店舗を建設する際の資材製造から建物完成までのCO2排出量は、通常店舗建設と比較して56%の削減を見込んでおり、近年、国際的な課題となっているエンボディードカーボン(※)の削減にも貢献しています。
建材再利用の対象となる店舗は、株式会社ローソンさまと当社が共同で開発した「DL-e(ディーエルイー)工法」により2013年以降に建設された店舗のうち、各種要件を満たした店舗が対象となります。
今後も、建物建材の再利用化に積極的に取り組むことで、
CO2排出・廃棄物削減などの地球環境への負荷軽減や、建設・解体時の騒音・振動・粉塵の抑制などの生活環境への負荷軽減につなげていきます。
※エンボディードカーボン:建物の建設や修繕・解体などに起因するCO2排出量
「エコ・ファースト企業」に認定
大和ハウスグループは2018年8月に、環境省のエコ・ファースト制度における「エコ・ファースト企業」に認定されました。エコ・ファースト制度とは、企業が環境大臣に対して、地球温暖化対策、廃棄物・リサイクル対策など、自らの環境保全に関する取り組みを約束する制度になります。全従業員は、次の「エコ・ファーストの約束」に基づき、環境保全活動に取り組みます。
「エコ・ファーストの約束」
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1.脱炭素社会の実現に向け、徹底した省エネ対策の推進と再生可能エネルギーの活用により、ライフサイクルにおける温室効果ガス排出量ゼロを目指します。また、気候変動による負の影響を回避・最小化する適応策により、気候変動リスクに強い事業活動の実践と安全・安心な社会の実現を目指します。
- 2.自然資本の保全・向上に向け、材料調達による森林破壊ゼロの実現と、自然環境と調和した緑あふれるまちづくりにより、生物多様性のノー・ネット・ロスを目指します。
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3.資源循環型社会の実現に向け、住宅・建築物の長寿命化と廃棄物のゼロエミッション、さらに再生材の活用により、資源の持続可能な利用を目指します。また、サプライチェーンを通じて、水使用量の削減と循環利用、水環境の保全に取り組み、水資源の持続可能な利用を目指します。
- 4.従業員の環境教育や実践の推進及び、次代を担うこどもたちの環境意識啓発を図ります。
大和ハウスグループ
「Daiwa Plastics Smart Project」
「Daiwa Plastics Smart Project」
大和ハウスグループは2020年4月より始めた新たな取り組み「Daiwa Plastics Smart
Project」に取り組んでいます。
昨今、海洋プラスチック汚染が注目され、使い捨てプラスチックの利用に対する社会の目が一段と厳しさを増しています。そのようななか、エコファースト企業として、企業活動における適正なプラスチックの利用を行うため、SDGs
の目標達成年である2030
年までに海洋プラスチックごみ問題に関する影響をゼロにすることを目標として、プラスチックの削減活動等を推進。2020
年3月、使い捨てプラスチックの削減を盛り込んだ、適正なプラスチック利用の指針となる「プラスチック利用ガイドライン」を制定しました。
ファシリティ パッケージ リースの推進
当社は、LED街路灯(防犯カメラ、トンネル照明)、メガソーラー、空調機器、医療機器等の設備機器の施工を伴うリースを「ファシリティ・パッケージリース」として提案しています。
近年では温室効果ガスの排出量削減、環境負荷の軽減を目的として、国の指針による水銀灯の輸出入・製造の終了を契機とした街路灯、トンネル照明、学校室内灯などのLED化にも積極的に取り組んでいます。
技術部門社員が多数在籍する当社では、計画段階から設計・施工、アフターフォローまでワンストップで対応することにより、スピーディーに一斉LED化を行い、消費電力の削減によるCO2排出量の低減、電気代削減による財政負担の軽減を実現しています。
当社のLED照明設備の実績は、2024年5月末現在で88自治体(677,290灯)になります。
今後も省エネルギー効果が高く、財政負担の軽減に貢献できる商品・サービスの提供に取り組んでいきます。